学生マンションはやめとけ?後悔する理由と実際に住んでみた感想を紹介

「学生マンション」と調べると「やめとけ」という言葉が出てきて、不安になる人も多いのではないでしょうか。
初めての一人暮らしで失敗したくないと感じるのは当然です。

しかし、学生マンションと一口に言っても、運営形態や管理体制はさまざまです。ネットで「やめとけ」と言われる背景には、異なるタイプの物件が混同されていることもあります。

この記事では、学生マンションがやめとけと言われる理由と、実際に住んでみた感想をもとに、向いている人や注意点を解説します。

学生マンションとは

学生マンションとは、主に学生の入居を想定してつくられたマンションの総称です。
ただし、すべてが同じ条件・同じ運営形態というわけではありません。
学生マンションと呼ばれる物件には、例として以下のようなタイプがあります。

  • 「学生専用」として運営されている物件
    ・入居時に在学証明の提出が求められる
    ・卒業と同時に退去するケースが一般的
    ・管理や設備、防犯面で学生向けに整えられていることが多い
  • 「学生向け」として募集されている一般賃貸物件
    ・大学通学に便利な立地にあることが多く、入居者の多くが学生という物件
    ・「学生向け」としているが、一般物件と変わりがないものが多い
  • 大学や生協が関与している物件
    ・物件数は多くない
    ・大学が直接管理しているケースは少なく、実際には民間事業者と提携して紹介している形がほとんど
    ・学生寮に近い物件も含まれる

このように「学生マンション」と呼ばれていても、実態はさまざまです。
こうした違いを理解せずに語られている点が、「やめとけ」につながっていることも少なくありません。

学生マンションと他の物件との違い

学生マンションを検討する際、一般的な賃貸物件や学生寮との違いが気になる人も多いでしょう。
それぞれの特徴を簡単に整理しておくと、自分に合った住まいの立ち位置が見えやすくなります。

一般的な賃貸物件との違い

一般的な賃貸物件と学生マンションの主な違いは、入居条件と契約内容にあります。

学生マンション

・在学中の学生であることが入居条件となる
・学生証や合格証書の提出が求められる
・卒業と同時に退去が必要になる場合が多い
・防犯設備や管理体制が学生向けに整えられていることが多い
・入居者の年齢層が近く、生活リズムが似ている傾向がある

一般的な賃貸物件

・年齢や職業を問わず、幅広い層が入居できる
・収入や保証人の有無を重視した審査が行われる
・2年契約で更新しながら長く住み続けられるケースが多い

このように、学生マンションは安心感や住みやすさを重視した設計である一方、居住期間が限定されやすい点が一般賃貸との大きな違いといえるでしょう。

学生寮・学生会館との違い

学生マンションと学生寮・学生会館は、同じ「学生向けの住まい」として扱われがちですが、生活スタイルや自由度に大きな違いがあります。

学生マンション

・各部屋が独立しており、生活空間は一人専用
・トイレ、浴室、キッチンを専有できる物件が多い
・門限や外泊制限がなく、生活の自由度が高い
・一般的な一人暮らしに近い感覚で生活できる

学生寮・学生会館

・共同生活を前提とした住まいである
・相部屋、もしくはキッチン・浴室・トイレなどを共有するケースが多い
・門限や外泊制限、来客ルールなどが細かく定められていることが多い
・食事付きや管理人常駐など、生活サポートが充実している場合がある

このように、学生寮・学生会館は管理やサポートを重視した住まいである一方、学生マンションはプライバシーと自由度を重視した住まいといえるでしょう。

学生マンションはやめとけと言われる7つの理由

学生マンションについて調べると、「やめとけ」「後悔した」という声を目にすることがあります。
ここでは、学生マンションはやめとけと言われる理由を7つ紹介します。

  1. 学生寮と勘違いしている
  2. 生活ルールが細かく、自由度が低い
  3. 家賃や管理費が割高に感じやすい
  4. 契約が1年更新で、長期的に住みにくい
  5. 卒業後は退去しなければならない
  6. 物件数が少ない
  7. 生活音や人との距離が近く、ストレスを感じやすい

1.学生寮と勘違いしている

「学生マンションはやめとけ」と言われる理由のひとつに、学生マンションと学生寮を混同しているケースがあります。
しかし、両者の性質は大きく異なります。

学生寮は、食事提供や門限、管理人常駐など、共同生活を前提とした住まいです。
生活ルールも細かく、干渉を感じやすい環境になりがちです。

一方、学生マンションは一般的な賃貸と同じく、各部屋が独立しています。
トイレ・浴室・キッチンは専有であることが多く、生活スタイルの自由度は一人暮らしとほぼ変わりません。

「寮生活のように縛られるのでは」と不安に感じている場合は、まずこの違いを整理しておくことが大切です。

2.生活ルールが細かく、自由度が低い

学生マンションでは、ゴミ出しや来客、共用部の使い方などに一定のルールが設けられていることがあります。
これを「自由がない」と感じる人もいるでしょう。

ただし、これらのルールは、トラブルを防ぐために設けられているケースがほとんどです。
管理が行き届いている証拠とも言えます。

特に一人暮らしが初めての学生にとっては、安心して生活しやすい環境になりやすいです。
自由度を最優先したい人には合わない場合もありますが、安全性や秩序を重視する人にはメリットになります。

3.家賃や管理費が割高に感じやすい

学生マンションは、一般的なワンルームと比べて、家賃や管理費が高く感じられることがあります。
その理由として多いのが、防犯設備や管理体制、学生向け設備が含まれている点です。

オートロックや防犯カメラ、24時間対応の管理窓口が設けられている物件もあります。
家具・家電付きが標準仕様になっているケースも少なくありません。

同じ条件の一般賃貸と比較すると、必ずしも割高とは言い切れない場合もあります。
家賃の金額だけで判断せず、含まれている内容を確認することが重要です。

4.契約が1年更新で、長期的に住みにくい

学生マンションでは、1年更新や在学期間を前提とした契約が採用されていることがあります。
これを理由に、住みにくいと感じる人もいます。

ただ、学生生活は変化が多い時期です。
進級や進学、留学、就職などで生活環境が変わることも珍しくありません。

そのため、長期契約を前提としない契約形態が合う人も多いです。
一概にデメリットとは言えないでしょう。

5.卒業後は退去しなければならない

学生専用マンションでは、卒業と同時に退去が必要になるケースが多くあります。
これは学生以外の入居を認めていないためで、避けられない条件です。

一方で、在学中は入居者が学生に限定されます。
年齢層や生活リズムが近く、安心して暮らしやすい環境につながります。

卒業後も住み続けたい人には不向きですが、学生の間だけ安心して暮らしたい人には、合理的な選択と言えるでしょう。

6.物件数が少ない

学生マンションは、大学周辺など限られたエリアに建てられることが多いです。
そのため、物件数が少ないと感じる場合があります。

希望条件によっては、選択肢が限られることもあるでしょう。
ただし、学生需要を見込んだ立地に絞って供給されている点は特徴です。

通学のしやすさや周辺環境が考慮されている物件も多く、
数の多さより立地や安全性を重視する人にとっては、大きな欠点とは言えません。

7.生活音や人との距離が近く、ストレスを感じやすい

学生が多く住む物件では、生活音やマナーが気になるのではと不安に感じる人もいます。
また、廊下やエントランスで顔を合わせやすく、人との距離が近いと感じるケースもあります。

一方で、入居者の年齢層が近く、生活リズムが似ている点はメリットともいえます。
そのため、一般的な賃貸物件よりもストレスが少ないと感じる人もいます。

生活音の問題は、学生マンション特有というより、建物の構造による影響が大きい点にも注意が必要です。
木造か鉄筋コンクリート造かによって、音の伝わりやすさは大きく変わります。

また、ワンフロアの戸数や部屋の配置によっても、プライバシーの感じ方は異なります。
内見時には、間取りや共用部のつくりもあわせて確認しておくことが大切です。

実際に学生マンションに住んで感じたこと

実際に学生マンションに住んでみると、「やめとけ」と言われるイメージとは違う部分もあります。
ここでは、学生マンションで暮らして感じたことを、良かった点と気になった点に分けて紹介します。

住んでいた学生マンションの条件

・女性専用
・1階
・オートロック付き
・立地は駅から少し離れた住宅街で、静かな住環境
・一般の不動産会社で紹介され、契約した物件
・管理会社が「学生向け専門」会社だった

実際に住んでみて良かった点

学生マンションに住んで良かったと感じたのは、主に安心面と住環境です。

良かった点

・女性専用だったためか、騒音やトラブルを感じたことがほとんどなかった
・4年間住んでいたが、入居者とは共用部ですれ違うことも少なく、同じ階の人しか把握していなかった
・1階の部屋でも、高台だったのでベランダに洗濯物を干せたし、防犯面で不安が少なかった
・エントランスに管理会社直通の専用コールがあり、カードキー忘れやトラブル時にすぐ対応してもらえた
・インターホンには来客以外に使える無料の内線機能があり、部屋同士で連絡が取れた

学生専用・女性専用という条件が、結果的に落ち着いた住環境につながっていたと感じます。

実際に住んでみて気になった点

一方で、学生向け仕様や物件条件による不便さも感じました。

気になった点

・洗濯機や乾燥機が共同で、使用のたびに料金がかかるうえ、空いていないと使えなかった
・電気温水器のため、お湯切れが起きたり、夜間の作動音が気になることがあった
・オートロックがあっても、セールスが入り込むケースはあった
・トラブルでカードキーを交換する際には、管理会社まで行く必要があった

設備については、慣れることである程度は気にならなくなりました。
一方で、初めての一人暮らしだったこともあり、賃貸物件の仕組みを十分に理解できていませんでした。
何か困ったことがあれば、最寄りの賃貸仲介会社に相談すればよいと思っていましたが、入居後のトラブル対応は「物件を管理している管理会社」が窓口になるということです。

感想のまとめ

  • 「学生マンションならでは」だと感じた点
    ・学生専用・女性専用という条件により、入居者の年齢層や生活リズムが近かった
    ・管理会社が学生対応に慣れており、トラブル時の窓口が明確で安心感があった
    ・防犯や管理体制を重視する人、初めての一人暮らしには向いている
    ・遠方からの一人暮らしでも、親が安心しやすい環境だった
    ・共同洗濯機や電気温水器など、学生向け設備による不便さがあった
  • 「学生マンションに限らず起こりうる」と感じた点
    ・オートロックでもセールスは完全には防げなかった
    ・1階でも立地条件によっては安心して暮らせた
    ・静かな環境だが、夜は駅からの道が暗くて危険だった
    ・坂の上の立地で、自転車は使いにくかった
  • 結論として感じたこと
    ・「学生マンションだから良かった/悪かった」ではなく、立地・入居者の質・管理体制によって住み心地は大きく変わる
    ・「やめとけ」という言葉だけで判断せず、事前の内見と条件確認が重要

学生マンションが向いている人・向いていない人

学生マンションは、すべての学生にとって最適な住まいというわけではありません。
一方で、条件が合えば「やめとけ」と言われる理由がほとんど気にならないケースもあります。
ここでは、学生マンションが向いている人・向いていない人の特徴を整理します。

学生マンションが向いている人

  • ・通学のしやすさを重視したい人
    大学や専門学校の近くに立地していることが多く、毎日の通学時間を短くしたい人には向いています。
  • ・防犯面を重視したい人
    オートロックや管理会社のサポート体制など、一般的な賃貸よりも防犯を意識した設備が整っている物件が多いです。
  • ・初めての一人暮らしで不安がある人
    学生向けに設計・管理されているため、生活面で大きく困りにくい点は安心材料になります。
  • ・家賃が多少高くても、安心感を優先したい人
    コストよりも環境や安全性を重視したい場合は、選択肢に入ります。
  • ・周囲も学生の環境のほうが落ち着く人
    社会人やファミリー層が多いエリアより、生活リズムが近い人が多いほうが安心できる人には合いやすいです。

学生マンションが向いていない人

  • ・できるだけ家賃を抑えたい人
    設備や管理体制の分、一般的なアパートより家賃や管理費が高くなる傾向があります。
  • ・長く同じ部屋に住み続けたい人
    学生専用物件の場合、住み心地が良く気に入っていたとしても、卒業と同時に退去しなければなりません。
  • ・プライバシーや自由度を最優先したい人
    物件によっては共同使用のスペースがあったり、同じ大学の友人が集まりやすかったりと、プライバシーや自由度を最優先したい人には向かないケースがあります。
  • ・家具やレイアウトにこだわりたい人
    備え付け設備がある分、自由に部屋づくりをしたい人には窮屈に感じることがあります。
  • ・学生が多い環境に落ち着かなさを感じる人
    周囲が学生ばかりだと、生活音や雰囲気が合わないと感じる人もいます。

学生マンションに住むときの注意点

学生マンションは、条件が合えば安心して暮らせる住まいですが、入居前に確認しておかないと「思っていたのと違った」と感じやすい点もあります。
ここでは、実際に検討する際に押さえておきたい注意点を整理します。

「学生専用」の中身を必ず確認する

学生マンションと書かれていても、「学生専用として厳密に管理されている物件」や「実質的に学生が多いだけの一般物件」など、実態はさまざまです。
在学証明が必要なのか、卒業後は必ず退去になるのかなど、入居条件を事前に確認しておかないと、将来的に住み替えが必要になる可能性があります。

防犯設備だけで安心しきらない

オートロックや防犯カメラがあること自体は安心材料ですが、それだけで安全性が決まるわけではありません。
周辺環境が静かな住宅街なのか、人通りの多い場所なのか、1階でも侵入しにくい構造かなど、立地や建物のつくりも含めて判断することが大切です。
そのため、内見はしっかり行いましょう。

設備が「学生向け仕様」な場合がある

学生マンションは、初めての一人暮らしを想定し、シンプルで最小限の暮らしができるようになっていることも多いです。
そのため、生活にこだわりたい人は、あまりにも不便すぎないかなど、実際の使い勝手を内見で確認しておくと安心です。

管理会社と仲介会社を混同しない

初めての一人暮らしでは、仲介会社の担当者が親切であった場合など、何かあったら頼ろうと思ってしまいがちです。
しかし、入居後のトラブルは基本的に管理会社が対応することになります。
そのため、学生向けの管理会社であるかや、トラブル時の連絡先がどこなのかを入居前に把握しておくと、いざというときに慌てずに済みます。

よくある質問

ここでは、よくある質問をまとめました。

学生マンションには門限がありますか?

基本的に、学生マンションには門限や外泊制限はありません。
門限があるケースは、学生寮や学生会館に多い傾向です。自由な生活を送りたい人にとっては、学生マンションのほうが合いやすいでしょう。

学生マンションとアパート、どちらが安いですか?

一般的には、アパートのほうが家賃は安い傾向にあります。
学生マンションは防犯設備や管理体制が充実している分、家賃や管理費がやや高めに設定されていることが多いためです。
費用を重視するか、安心感を重視するかで選ぶと判断しやすくなります。

親や友達を泊めることはできますか?

多くの学生マンションでは、数日程度であれば親や友人の宿泊を認めています。
ただし、長期間の宿泊は規約違反になる場合があります。
また、女性専用・男性専用の物件では、異性の立ち入りが禁止されているケースもあります。
トラブルを避けるためにも、契約前に規約を確認しておきましょう。

「学生マンションはやめとけ」は物件次第

「学生マンションだからやめておけ」という理由はありません。
「やめとけ」と言われる背景には、学生寮との混同や、一部の合わなかった体験が強調されているケースが多く見られます。

一方で、卒業後は退去が前提になることや、家賃が高めに感じやすい点など、理解しておくべき条件もあります。
名称や評判だけで判断せず、立地や管理体制を含めて、自分に合うかどうかを見極めることが大切です。

学生マンションだから安心・不安と決めつけず、物件ごとに自分に合っているか確認するのだ~

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NARUHODO FUMU FUMU

愛知・岐阜・三重で50年以上、地域密着の直営主義でお部屋探しを提供している不動産会社【ニッショー】が運営するWebマガジン。
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