一人暮らしの電気アンペアはどれくらいがベスト?目安と節約術を紹介

一人暮らしを始めて、ブレーカーが落ちる経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか。突然電気が切れると驚きますよね。
電気のアンペア数の設定は悩ましいところですが、ブレーカーが落ちないようにしつつ、電気の基本料金も無駄に上げたくないものです。
この記事では、一人暮らしに最適なアンペア数の目安と、電気代を節約するコツを紹介します。

- アンペア(A)とは
- アンペアの計算方法は?
- 電気の基本料金はアンペア数で決まる
アンペア(A)とは
アンペア(A)とは、電流の大きさを表す単位で、電気が流れる量を示しています。
家の電気契約は、「何アンペア(A)まで使えるか」を決めて、一度に使える電気の量を制限しています。

契約しているアンペア数を超える電力を同時に使用すると、ブレーカーが落ちて電気が止まる仕組みになっています。
アンペア数が大きいほど、一度に多くの家電を使うことができます。
アンペアの計算方法は?
アンペア (A) は、ボルト (V) とワット (W) の関係式を使って求めることができます。
具体的には、以下の式で計算します。
電流(A)= 消費電力(W)÷ 電圧(V)
日本の家庭用電圧は一般的に100Vであるため、消費電力が1,000Wのドライヤーを使用する場合の電流は以下の通りです。
【10(A)=1,000(W)÷100(V)】
ちなみに、消費電力を計算する場合は
【100(V)×10(A)=1,000(W)】
となります。
よって、契約しているアンペアが 30A なら、最大3,000Wまでの家電製品を同時に使うことができます。
電気の基本料金はアンペア数で決まる
一般的に、電気の基本料金は契約アンペア数によって決まります。
そのため、必要以上に高いアンペア数を設定すると、毎月の固定費が増える原因となります。
ただし、これはアンペア制を採用している電力会社に限ります。
例えば、愛知県、岐阜県、三重県を管轄する中部電力は、アンペア制を採用しています。
アンペア数 | 基本料金(円・税込) |
---|---|
10A | 321.14 |
15A | 481.71 |
20A | 642.28 |
30A | 963.42 |
40A | 1,284.56 |
50A | 1,605.70 |
60A | 1,926.84 |
※電力量料金
アンペア数によって基本料金は変わりますが、あくまで「同時に使える電気の上限」を決めるものなので、注意が必要です。
電力量料金は契約アンペア数に関係なく、使用した分だけ加算されるため、電気を多く使うほど電気料金は高くなります。
電力量料金(1kWh単位・円税込) | |
---|---|
最初の120kWhまで | 21.20 |
120kWhをこえ300kWhまで | 25.67 |
300kWhをこえる | 28.62 |
アンペアとは【まとめ】
・一度に使える電気の上限を示す単位で、契約アンペア数を超えるとブレーカーが落ちる
・基本料金は契約アンペア数によって変わる
・電気料金(電力量料金)は使った分だけ加算されるため、使用量が多いほど高くなる
一人暮らしのアンペア数の目安
ライフスタイルによって適切なアンペア数は変わります。
アンペア数が小さすぎても頻繁にブレーカーが落ちて不便になるため、電気の使用量に合わせて適切なアンペア数を選ぶことが大切です。
- 一人暮らしには20~30アンペア
- 家電製品のアンペア数
- 家電を同時に使うシチュエーションを考える
一人暮らしには20~30アンペア
一人暮らしのアンペア数は、一般的に20~30アンペアあれば、日常生活で家電を同時に使っても支障はないとされています。(オール電化の場合を除く)
しかし、リモートワークをする場合や家電の使用頻度が高い場合は、40アンペアあると安心でしょう。
その分、基本料金は上がってしまうので、注意が必要です。
世帯別アンペア数の目安
一人暮らし:20~30アンペア
二人暮らし:30~40アンペア
三、四人家族:40~50アンペア
五人以上の家族:60アンペア以上
家電製品のアンペア数
アンペアと言われても、家電の消費電力はワット数(W)で表示されているため、ピンとこない…という方も多いのではないでしょうか。
そこで、ここでは家電ごとのアンペア数の目安をまとめます。
ワット(W)をアンペア(A)に換算するには
「100W=1A」
「1,000W(1kW)=10A」
※100Vの場合と覚えておくと便利です
家電 | アンペア |
---|---|
エアコン(10畳用平均) ※立ち上がり時 |
冷房:5.8A ※14A 暖房:6.6A ※20A |
冷蔵庫(450Lクラス) | 2.5A |
電子レンジ(30Lクラス) | 15A |
IHジャー炊飯器(5.5合・炊飯時) | 13A |
IHコンロ(200V) | 20A~30A |
掃除機 | 弱:2A 強:10A |
ヘアードライヤー | 12A |
家電を同時に使うシチュエーションを考える

家電を同時に使う場面はさまざま考えられます。
まずは一日の行動を振り返り、いつどの家電を使っているかを想定してみましょう。
特に同時に使うことが多い家電のアンペア数を合計し、その結果をもとに契約するアンペア数を決めるのが理想的です。
無駄を省き、必要最低限のアンペア数に設定することが節約のポイントになります。
冷蔵庫2.5A+エアコン6.6A+ヘアードライアー12Aは合計21.1A
これらの家電を同時に使う可能性が高い場合は20A以上の契約が必要
冷蔵庫や照明器具、エアコンなどは常に使用している家電です。
一方で、アンペア数が増えるのは、短時間だけ使用する家電を使ったときです。
例えば、ヘアドライヤーを使う際にエアコンを消す、電子レンジと炊飯器を同時に使わないなど、使用するタイミングをずらすことで、少ないアンペア数でも問題なく生活できます。
アンペア数の目安【まとめ】
・ 一人暮らしのアンペア数の目安は20~30A
・「100W=1A」「1,000W(1kW)=10A」(※100Vの場合)と覚えておくと便利
・アンペア数が増えるのは 短時間だけ使用する家電を使うとき。使用タイミングをずらせば、少ないアンペア数でも快適に過ごせる
契約アンペアの確認
必要なアンペア数が分かったら、契約内容を確認しましょう。
契約しているアンペア数を確認する方法

契約中のアンペアは検針票や請求書、Webなどの会員マイページなどで確認することができます。
また、分電盤内にあるアンペアブレーカーのレバー周辺の色でも確認することができます。
電力会社によって色分けは異なります。
下記は中部電力の場合です。
アンペア | 10A | 15A | 20A | 30A | 40A | 50A | 60A |
---|---|---|---|---|---|---|---|
色 | 赤 | 茶 | 黄 | 緑 | 青 | 紫/緑 | 灰/黒 |
※スマートメーターを使用している家の場合は、アンペアブレーカーが付いていない場合もあります。

契約アンペア数を変更する前に知っておきたいこと
アンペア数の契約を変更するときにはいくつかの注意点があります。
-
- 1.1年に1回しか変更できない
- 一般的に、アンペアを一度変更すると、1年間は再変更できません。
季節ごとに変更することはできないため、春や秋の電気使用量を基準に決めるのは避けましょう。
エアコンを使用する機会が多い、夏や冬の電気使用量を基準に考えると良いでしょう。
-
- 2.大家さんや管理会社に確認する
- 賃貸物件では、入居者が自由にアンペア数を変更できないことがあります。
また、建物の設備によっては変更自体が難しい場合もあります。
アンペア数を変更したい場合は、まず大家さんや管理会社に相談しましょう。
-
- 3.電力会社へ確認する
- 大家さんや管理会社の許可が下りたら、電力会社に連絡しましょう。
その際、希望するアンペア数への変更が可能か、工事が必要かを確認します。
通常はブレーカーの交換で対応できますが、60Aを超える場合や配線工事が必要な場合は、工事費が発生することがあります。
-
- 4.退去時には元に戻す必要がある
- 賃貸物件は、原状回復義務があるため、退去時には元のアンペア数に戻す必要があります。
アンペアを変更するときには、大家さんや管理会社に退去時の対応も確認しておきましょう。
電気アンペアを下げて節約するコツ
- 電気料金のしくみ
- 無理なくアンペアを下げるための節約ポイント
- 節約ポイント【家電別】
電気料金のしくみ
電気料金は、主に3つの要素で構成されています。
①契約アンペア数で決まる基本料金
②使った電気の量に応じて変動する電力量料金
③月ごとに変動する燃料費調整額・再エネ賦課金
※燃料費調整額:発電に使う燃料(石油など)の価格変動に応じて調整される料金
※再エネ賦課金:再生可能エネルギーの普及を目的に、電気使用量に応じて加算される
このため、契約アンペアを下げると基本料金が安くなり、その上で電気の使い方を工夫すれば、さらに電気料金を節約することができます。
無理なくアンペアを下げるための節約ポイント
-
- 1.同時使用を避ける
- 電気を使う家電を、同時に使わないよう気を付けましょう。電力使用の時間を分散させることがポイントです。
-
- 2. 待機電力を減らす
- 使用していない家電のコンセントを抜くことで待機電力を減らすことができます。
-
- 3.必要なときだけ使う
- こまめに電源を消すなど、必要以上に家電を長時間使用しないようにしましょう。
節約ポイント【家電別】
-
- ■エアコン
- 適切な設定温度:夏は26〜28度、冬は20〜22度にすると効率的です。寒く感じた場合は少し厚着をするなどで温度調節できますが、無理のない温度設定にしましょう。
こまめなフィルター掃除:フィルターが汚れていると、エアコンの効率が落ち、余分に電力を消費します。こまめに掃除をしましょう。
-
- ■冷蔵庫
- ドアの開閉数を減らす:頻繁にドアを開けると冷気が逃げてしまうため、再び冷却するときに余分な電力を消費します。
詰め込み過ぎない:詰め込み過ぎると冷却する効率が悪くなり、無駄な電力消費が増えます。
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- ■炊飯器
- 保温をしない:必要な分だけ炊き、炊き上がったらすぐに食べるようにしましょう。保温し続けると余分な電力を消費します。
冷凍する:お米を多めに炊いた場合は、保温せずに冷凍しておきましょう。その際は、しっかりと熱を冷ましてから冷凍庫に入れるのがポイントです。
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- ■テレビ
- 電源を切る:意外と見ていない時間もあるテレビ。視聴していないときは、こまめに電源を切ると良いでしょう。
無理のないアンペア数に設定することが大切なのだ!

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