床暖房付き賃貸のデメリットを解説!メリットや電気代・節約方法もあわせて紹介

足元からじっくりと部屋全体を暖めてくれる床暖房は、賃貸物件でも人気の設備です。
床暖房は乾燥しにくく、特に寒い冬には理想的な暖房器具ですが、賃貸物件において、光熱費の負担やメンテナンスなど、事前に確認しておくべき点がいくつかあります。
そこで今回は、床暖房のメリット・デメリット、電気代や節約方法についても詳しくご紹介していきます。
暖房器具選びに迷っている方や床暖房付きの賃貸物件が気になる方は、ぜひ参考にしてみてください。
床暖房には多くのメリットがありますが、まずは気になるデメリットを見ていきましょう。
- 暖まるまでに時間がかかる
- 光熱費が高くなりやすい
- 低温やけどをする可能性がある
- 家具の配置に注意する必要がある
1.暖まるまでに時間がかかる

床暖房は、足元からじっくりと部屋全体を暖める仕組みになっているため、エアコンやガスファンヒーターに比べ、部屋が暖まるまでに30分~1時間程度かかることがあります。
そのため、短時間での使用が多い部屋には不向きとされています。
すぐに部屋を暖めたい場合は?
■タイマー機能を活用する
■他の暖房器具を併用する
■部屋が冷えにくい環境を作る
2.光熱費が高くなりやすい

床暖房は部屋全体の床面積を均等に暖めるため、広い面積を加熱する必要があります。
そのため、エネルギーを多く消費しがちです。
また、一定の温度を保つためには長時間運転し続ける必要があり、この連続使用が光熱費の増加につながることがあります。
ただし、使い方を工夫することでコストを抑えることも可能です。
詳しくは後述の『床暖房の節約方法』で紹介しています。
3.低温やけどをする可能性がある

長時間床面に触れたままだと、低温やけどを引き起こす可能性があります。
温度設定が適切でない場合や、同じ場所に長時間座っていたり寝転んだりすると、熱が一点に集中して皮膚に負担をかけてしまうことがあります。
低温やけどは自覚しにくく、気づかないうちに症状が進行することもあるため注意が必要です。
使用時の注意ポイント
■長時間同じ姿勢で床に触れ続けないようにしましょう。
■就寝時などは、タイマー機能や温度設定を活用して過剰な加熱を避けましょう。
■特に高齢者や小さなお子さんのいる家庭では、十分な注意を心がけましょう。
4.家具の配置に注意する必要がある

床暖房は床全体を均等に暖めるため、家具の種類や配置には注意が必要です。
厚みのあるカーペットや床に密着する家具は、熱を遮るだけでなく、暖房効率を下げ、床や家具にダメージを与える可能性があります。
家具配置のポイント!
■脚付き家具を選ぶことで、熱が床にしっかりと伝わり、暖房効率をより高めることができます。
■部屋の隅や床暖房の影響を受けにくい場所に家具を配置することで、効率的に暖房効果を発揮させることができます。
賃貸物件における床暖房のメリット
デメリットをふまえたうえで、次は床暖房のメリットをチェックしてみましょう。
では、具体的にどんなメリットがあるのでしょうか?
- 足元から温まる
- お手入れが簡単
- 乾燥しにくい
- やけどや火事の心配がない
- 室内にほこりが舞いにくい
1.足元から温まる

床暖房は、足元からじんわりと部屋全体を暖めてくれるため、冷えやすい下半身からしっかりと温もりを感じることができ、体の芯までぽかぽかと暖まります。
また、ストーブやエアコンのように空気を直接温めるのではなく、足元から熱が伝わるため血行が良くなり、靴下やスリッパがなくても快適に過ごせるのが魅力です。
2.お手入れが簡単

床暖房は床下に設置されているため、ほこりが入りにくく、エアコンやストーブのように定期的なフィルター掃除も必要ありません。
また、電源コードがないため掃除機をかけるときにコードが絡まる心配もなく、暖房器具を移動させる手間も不要です。
そのため、部屋全体をスムーズに掃除できるのも、床暖房ならではのメリットと言えるでしょう。
3.乾燥しにくい

床暖房は、エアコンやファンヒーターのように温風が出ないため、空気が乾燥しにくいのが特徴です。
そのため、乾燥が気になりやすい冬でも快適に過ごすことができ、喉や肌の乾燥が気になる方にも嬉しい設備です。
4.やけどや火事の心配がない

石油ストーブやファンヒーターは、倒れてしまったり、周囲のカーテンや衣類に接触すると、火事の原因になる可能性があります。
また、直接触れるとやけどをする危険性もあります。
一方、床暖房は火を使わないため、やけどや火事のリスクが少なく、小さなお子さんやペットがいる家庭でも安心して使うことができます。
5.室内にほこりが舞いにくい

床暖房は、エアコンやファンヒーターのように風が発生しないため、室内のほこりが舞いにくいのも大きなメリットです。
そのため、アレルギー体質の方も安心して使うことができます。
床暖房の基本情報
床暖房は、部屋を均等に暖めることができるため、特に冬の寒い時期に快適な生活を提供してくれます。
ここでは、床暖房の仕組みや種類について基本的な情報を紹介します。
床暖房とは
床暖房とは、床下から伝わる熱によって床および室内を暖める暖房設備です。
足元からの冷えを防ぎつつ、部屋全体を快適な温度に保つのが大きな特徴です。
また、部屋全体がじんわりと暖まるため、エアコンやストーブとは異なる、やさしい暖かさを感じることができます。
床暖房の種類
床暖房には主に「温水式床暖房」と「電気式床暖房」の2種類があります。
それぞれの仕組みや特徴、メリット・デメリットについて、以下で詳しく説明します。
【温水式床暖房】

温水式床暖房は、床下に温水パネルを設置し、温水を循環させて、床面から部屋全体を暖かくします。
温水の作り方には、以下のタイプが主に用いられます。
・電気式
・ガス式
・ハイブリッド式(電気とガス併用)
・ヒートポンプ式
・灯油式
「温水式床暖房」のメリット
・立ち上がりが早い
・ランニングコストが抑えられる
・部屋全体を均一に暖められる
・一点に熱が集中しないため、低温やけどの心配はほとんどない
「温水式床暖房」のデメリット
・導入の初期費用が高い
・定期的なメンテナンスが必要
【電気式床暖房】

電気式床暖房は、床下に電気で発熱するヒーターを設置し、床面を通じて部屋全体を暖かくします。
電気式床暖房には、主に以下のタイプがあります。
・PTCヒーター式
・電熱線ヒーター式
・蓄熱式
「電気式床暖房」のメリット
・初期費用が安い
・メンテナンスの手間が少ない
「電気式床暖房」のデメリット
・部屋全体を暖めるまでに時間がかかる
・電気使用量が多いため、電気代が高くなりやすく
・接触面が高温なため、低温やけどに注意する必要がある
床暖房の電気代はどれくらい?
床暖房は、部屋が暖かくなり快適になりますが、その一方で電気代が高くなりやすいという点もあります。
では、温水式床暖房と電気式床暖房、それぞれ1ヵ月あたりどのくらいかかるのか確認してみましょう。
「温水式床暖房」の1ヵ月あたりのランニングコストの目安
Panasonic製の床暖房システム(フリーほっと温すいW、You温すい)を例に、ヒートポンプ式と石油ボイラー式を比較したランニングコストを見ていきましょう。
■「フリーほっと温すいW」は、ヒートポンプ式温水暖房機、床暖房機能付エコキュートに対応した、仕上げ材分離型。
■「You温すい」は、温水パイプを床材に内蔵した、仕上げ材一体型の温水床暖房。
部屋の広さ | ヒートポンプ式 | 石油ボイラー式 |
---|---|---|
8畳 | 約3,400円 | 約4,600円 |
10畳 | 約4,500円 | 約5,800円 |
12畳 | 約5,600円 | 約7,300円 |
16畳 | 約7,500円 | 約9,800円 |
※1日8時間連続使用、外気温約7℃、室温約20℃の一定状態、床温約30℃で30日運転、新電力料金目安単価31円/kwh(税込)で計算
参考)「Panasonic床暖房システム:温水式床暖房」「電気式床暖房」の1ヵ月あたりの電気代の目安
次に、Panasonic製の電気式床暖房システム(フリーほっと 100Vタイプ/200Vタイプ、Youほっと 100Vタイプ/200Vタイプ)を例に、実際の電気代を見ていきましょう。
■「フリーほっと 100Vタイプ/200Vタイプ」は、自由に仕上げ材が選べる分離型。マンションにも施工が可能。
■「Youほっと 100Vタイプ/200Vタイプ」は、簡単施工でリフォームにおすすめの仕上げ材一体型。
部屋の広さ | フリーほっと | Youほっと |
---|---|---|
6畳 | 約2,000~4,500円 | 約2,300~5,000円 |
8畳 | 約3,200~7,000円 | 約2,800~6,200円 |
10畳 | 約3,800~8,400円 | 約3,500~7,800円 |
12畳 | 約4,400~9,800円 | 約4,400~9,700円 |
16畳 | 約6,000~13,300円 | 約6,000~13,100円 |
※1日8時間連続使用、外気温約7℃、室温約20℃の一定状態、床温約30℃で30日運転、新電力料金目安単価31円/kwh(税込)で計算
参考)「Panasonic床暖房システム:電気式床暖房」「温水式床暖房」では、ヒートポンプ式の方がランニングコストは安く抑えられることがわかります。
全体としては、同じ広さでも「電気式床暖房」に比べて「温水式床暖房」の方がランニングコストを抑えられる傾向があるようです。
参考)「Panasonic木質床材・玄関框・床暖房・階段・手すり」WEBカタログ(2025年2月3日 新商品掲載版) 参考)「Panasonic住宅用総合カタログ」
床暖房の節約方法
床暖房の電気代をできるだけ抑えて快適に使うには、日々の使い方に少し工夫を加えることがポイント。
ここでは、床暖房の上手な使い方と節約方法を8つご紹介します。
1.床暖房のON・OFFを繰り返さない
2.省エネモードを活用する
3.タイマー機能を活用する
4.カーペットはできるだけ敷かない
5.他の暖房器具と併用する
6.必要なエリアだけ暖める
7.窓の断熱対策も重要
8.電気料金プランを見直す
1.床暖房のON・OFFを繰り返さない
床暖房は、一度暖まると部屋全体をじんわりと暖め続ける特性があります。
頻繁にON・OFFを繰り返すと、再加熱に余分なエネルギーが必要になり、かえって電気代が高くなる原因となります。
一定の温度を保つように設定して、連続運転する方が効率的で節約につながります。
2.省エネモードを活用する
多くの床暖房には、省エネモードやエコモードといった機能が搭載されています。
無駄なエネルギー消費を抑えながら、快適な暖かさを保つことが可能なため、長時間使用する際には、電気代の節約につながります。
通常運転よりも効率よく暖められるため、省エネモードを活用しましょう。
3.タイマー機能を活用する
タイマー機能を使えば、起床時間や帰宅時間に部屋を暖めておくことができるため、寒い思いをすることなく快適に過ごせます。
また、消し忘れも防げるので、外出前や就寝前の設定がおすすめです。
このように必要な時間だけ床暖房を運転するため、電気代の節約にも効果的です。
タイマー機能を使うときの具体例
起床時間や帰宅時間に暖まっている状態にするためには、30分~1時間前くらいにタイマーを設定しておくと、部屋が暖かくなっています。
また、床暖房を切ってからでも、しばらくは暖かさが残るので、外出や就寝の30分前に自動で切れるように設定することで、節約にもつながります。
4.カーペットはできるだけ敷かない
床暖房を効果的に使うためには、熱を遮るものを減らすことが重要です。
カーペットを敷くことで、熱を遮断することになり、部屋全体が暖まりにくくなる場合があります。
床暖房の効率が低下するため、できるだけカーペットを敷かないようにしましょう。
5.他の暖房器具と併用する
床暖房だけでも部屋全体を暖めることはできますが、部屋全体が暖まるまでにある程度の時間が必要となります。
エアコンやファンヒーターなどの暖房器具と併用することで、部屋全体を効率よく暖め、床暖房がフル稼働する時間を短縮することができるため、電気代の節約につながります。
6.必要なエリアだけ暖める
リビングや寝室など、生活スペースや頻繁に使うエリアだけを暖めることで効率よく節約できます
また、最近の床暖房には、リビングの一部分のみを暖めるタイプもあります。
広いリビング全体を暖めるのではなく、必要なところのみの運転に切り替えることで、電力を必要以上に使うことなく快適な空間を作り出すことができます。
7.窓の断熱対策も重要
窓からの熱の流出や冷気の侵入は、部屋がなかなか暖まらない原因となります。
断熱シートを貼ったり、断熱カーテンを使用したりすることで、室内の温かい空気が外に逃げにくくなり、床暖房の暖かさを長時間キープできるようになります。
8.電気料金プランを見直す
床暖房を使用する際、料金プランの見直しは大きな節約につながります。
多くの電力会社では、使用する時間帯によって料金が異なるプランを提供しています。
主に使用する時間帯が割安となるプランに変更することで、通常よりも安く電気を使うことができ、全体的な光熱費を抑えることが可能になります。
まとめ
賃貸物件で床暖房が必要かどうかは、自分の生活スタイルや引っ越し先の環境によって異なります。
床暖房の大きなメリットは、部屋全体を均等に暖め、快適な住環境を実現できる点です。
ただし、賃貸物件に備え付けられている場合、設置状態や管理費、使用時のランニングコストなども確認しておくことが大切です。
床暖房のメリットとデメリットを正しく理解し、ライフスタイルや予算に合わせて検討してみてください。
自分の生活スタイルに合った選択をすることが重要なのだ!

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