賃貸物件の【内階段VS外階段】メリット・デメリットと選び方のポイント

お部屋探しでは、家賃、立地、間取りなど、様々な条件を比較検討しますよね。
その中で共用部の「階段」というのは、必須条件といえるほど重要な項目ではないかもしれません。
しかし、内階段と外階段にもそれぞれメリット・デメリットがあります。
この記事では、物件選びにおいて、階段の種類に注目した比較検討のポイントを解説しています。

内階段と外階段の違い

まずは、内階段と外階段、それぞれの特徴を知っておきましょう。

内階段の特徴

内階段とは、共用部分の階段が建物内部に設計されているものを指します。
住人が日常的に使用するメインの通路として建物内に配置されており、天候の影響を受けにくく、セキュリティ面でも安心です。
一般的に、1階から最上階まで階段でアクセスできる構造になっていますが、物件によっては特定の階以降の利用が制限されている場合もあります。
また、エレベーターがある物件も、階段は建築基準法により必ず設置されていますが、物件によっては日常用ではなく非常用としてのみ利用される場合もあります。

<内階段の例1>

<内階段の例2>

外階段の特徴

外階段は、建物の外部に設置された階段で、直接上階の部屋へ行けます。
多くの場合、1階から最上階まで外から見える形で階段が設置されていますが、物件によっては目隠しや雨除けのパネルが設置されていることも。
階段から部屋への出入りが外から見られやすく、プライバシーが確保しにくい場合もあります。
また、道路に面した外階段は、住人以外でも簡単に上がってこれるため、訪問販売や防犯の対策も必要です。

また、中には「半屋外タイプ」の外階段もあります。階段を利用するには、一旦建物の敷地内へ入る必要があるため、防犯上でもいくらか安心です。
そのような物件は、数は少ないものの、内階段と外階段の良い点を持ち合わせています。

<外階段の例1>

<外階段の例2>

内階段のメリット・デメリット

内階段の物件には、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。くわしく見ていきましょう。

内階段のメリット

・安全性が高い
・天候の影響を受けにくい
・管理が行き届いている場合が多い

メリット1:安全性が高い

内階段は、建物内に共用部として設置されており、基本的には住人以外が入りこめないため、防犯面でも安心です。
オートロックがあればさらに外部からの不審者の侵入を防ぐことができます。

メリット2:天候の影響を受けにくい

内階段は屋内にあるため、雨や雪などの天候に影響されにくいというメリットがあります。
冬の凍結や雨で濡れる心配もなく、寒暖差を感じることも少ないでしょう。

メリット3:管理が行き届いている場合が多い

共用部分として管理されているため、定期的に掃除や点検が行われ、衛生面でも安心です。
照明が切れた場合も、管理会社やオーナーに連絡すればすぐに対応してもらえることが多いでしょう。

内階段のデメリット

・階段近くの部屋は音が響きやすい
・暗い場合がある

デメリット1:階段近くの部屋は音が響きやすい

内階段は、住民の足音やドアの開閉音のほか、話し声などが響きやすいことがあります。
特に階段の近くの部屋だと、音に敏感な人には不快に感じることも。

デメリット2:暗い場合がある

内階段は、閉塞感を感じる場合や、暗く感じることがあります。
特に照明が十分でない場合、夜間や天候が悪い日には雰囲気が暗く感じることも。

外階段のメリット・デメリット

続いて、外階段のメリット・デメリットをみていきましょう。

外階段のメリット

・風通しがよい
・家賃が安い
・災害時や非常時に外に逃げやすい

メリット1:風通しがよい

外階段は、建物の外側にあるため、開放的で風通しがよく、日当たりが良いというメリットがあります。
ただし、建物の裏側でまったく日が当たらない場合もあるため、一概には言えません。

メリット2:家賃が安い

外階段の物件は、建築コストが抑えられるため、家賃が比較的安めであることが多いです。
また、共用部分の維持管理コストが低くなり、管理費が安く抑えられる可能性もあります。
同じ予算でも、内階段の物件より広めの間取りを選べることがあるのも魅力のひとつです。

メリット3:災害時や非常時に外に逃げやすい

外階段は屋外につながっているため、火災や地震などの非常時にはすぐに建物の外へ避難しやすいというメリットがあります。
内階段の場合、火災時に煙がこもるリスクがありますが、外階段であればその心配が少なく、避難経路が確保されやすいのが利点です。

外階段のデメリット

・天気の影響を受けやすい
・住人の行動パターンが把握されやすい
・音が響きやすい
・劣化しやすい

デメリット1:天気の影響を受けやすい

外階段は、屋根があったとしても、雨や雪が降ると、傘を差しても濡れたり、滑りやすくなったりと、天候の影響を受けやすいです。
冬場は凍結のリスクも高くなるため、安全面で注意が必要です。また、夏場は、階段の素材によって手すりなどが熱くなりすぎることも。

デメリット2:住人の行動パターンが把握されやすい

外階段は、部屋への出入りが外部から見えやすいため、防犯面での不安が生じることがあります。
部屋番号が特定されやすく、帰宅時間を把握されるなど行動パターンを知られてしまうことも。
営業や訪問販売のほか、空き巣などの侵入を防ぐためには、個人でもしっかりした防犯対策が必要です。

デメリット3:音が響きやすい

外階段が鉄やアルミなどの金属製である場合は、階段を歩く音や振動が響きやすいことがあります。
特に夜間や早朝は、音が気になることも。

デメリット4:劣化しやすい

外階段は、屋外にあるためゴミや汚れがたまりやすく、また、雨ざらしになるため錆や劣化が進みやすい傾向があります。
定期的なメンテナンスがされていない物件は、安全性に問題がある場合も。

内見時は階段のここをチェック!

内階段も外階段も、それぞれにチェックすべきポイントがあります。
物件選びでは、階段部分の使用感や安全性を確認することが非常に重要です。

■幅や段差はどうか

内見時には、階段の幅や段差をチェックしましょう。幅が狭いと荷物を運ぶのが大変なほか、他の住人とすれ違える余裕がないかもしれません。
また、1階ごとの段数が多い場合や段差が急な場合は、上り下りが辛く感じることがあります。
手すりの有無もチェックして、快適性を確かめましょう。

■管理状態はどうか

共用部分の階段は、管理状態がしっかりしているかどうかが重要です。
清掃が行き届き、常に綺麗に保たれているか、照明が正常に機能しているかを確認しましょう。

■音が響くかどうか

階段と部屋の距離が近い場合、住人の足音や話し声などが気になることがあります。
階段の素材や反響によって音が響きやすいかどうか、内見時に確認してみましょう。

■雨が降りこむかどうか

階段に屋根があるかどうかを確認し、特に外階段の場合は、どれくらい雨に濡れそうかチェックしましょう。
階段の劣化具合からも、ある程度予想できるかもしれません。

また、内階段の場合も、階段の上部には屋根がなかったり、一部分だけ外の景色が見られるような造りになっていたりすることも。
その場合、雨が降りこむ可能性があるため、晴れた日の内見でも忘れず確認しましょう。

物件選びの際の判断ポイント

物件選びの際に重要なのは、自分がその物件に住んだときの生活をイメージすることです。
上記の「内見時は階段のここをチェック!」では特に問題がなくても、何階の何号室に住むかによって支障が出ることも。
以下の点をしっかり確認しましょう。

●階段の利用頻度

自分が日常的にどの程度階段を利用するかを想定しておきましょう。

  • エレベーターがない低層階(2~3階)
    階段がメインの移動手段となるため、使用頻度が高くなります。その場合、雨風の影響を受けにくい内階段の方が快適なことも。
    また、防犯面を気にする人は、階段の周囲の見通しや、外部からの視線、防犯カメラなどの設備の有無もチェックしておくとよいでしょう。
  • エレベーターがある中~高層階(5階以上)
    普段はエレベーターを利用し、階段を使う機会は少なくなるため、使用頻度は低めです。そのため、内階段か外階段かはそこまで重要ではないかもしれません。
    しかし、エレベーターの混雑時や故障時には階段を利用する必要があるため、非常時のことも考えて確認しておきましょう。

●階段から部屋までのルート

階段から廊下、部屋までのルートを歩いて気になるところがないか、確認しましょう。

  • 階段と部屋の位置関係
    階段が建物のどこに配置されているかによって、部屋までのアクセスのしやすさが変わります。
    例えば、階段と一番離れた角部屋に住む場合、部屋までの距離が長く感じられ、日常的な移動が不便に感じるかもしれません。
    また、階段から近ければ移動は楽ですが、他の住人が頻繁に自分の部屋の前を通ることになるため、足音や気配が気になるかもしれません。
  • 防犯性はどうか
    内階段は建物の内側にあるため、一度不審者に入りこまれると死角が多く危険な場合があります。防犯カメラの設置状況や、照明の明るさをチェックしましょう。
    また、外階段は開放的で明るい反面、道路から誰でも侵入しやすい位置に設置されている場合や、階段から部屋まで丸見えでプライバシーが守りにくい場合があるため、しっかり確認しましょう。

●非常時に使用する階段かどうか

物件によっては、普段は使用できない非常階段が設置されていることもあります。
いざという時に安全に避難できるよう、以下の点をチェックしておきましょう。

  • 普段用か非常用か
    高層マンションなどでは、通常の共用階段とは別に、非常用の階段が設置されていることがあります。
    普段は施錠されており、緊急時にしか開放されない場合もあるため、管理規約などで利用条件を確認しておくと安心です。
  • 火災や地震時の避難経路の確認
    万が一の場合に備えて、避難経路を事前に確認しておくことが重要です。
    階段が非常口として使えるか、エレベーターが使えない場合でもスムーズに避難できるかをチェックしましょう。
    内階段の場合は共用部での混雑を避けるために階段の位置や数、出入り口を確認しておくと安心です。

まとめ

「内階段だからいい」「外階段だからだめ」というような単純な判断をせずに、物件ごとにその特徴やメリット・デメリットをしっかり確認することが重要です。
住んでからの快適さや安心感が大きく変わるため、内見時には階段部分もきちんとチェックしましょう。

共用部の「内階段」「外階段」、しっかり確認するのだ!

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NARUHODO FUMU FUMU

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