名古屋は治安が悪いって本当?実際の状況と街の特徴を解説

名古屋市は「治安が悪い」という声を耳にすることがありますが、実際のところはどうなのでしょうか。
これから引っ越しを考えている方や新生活を始める方にとって、治安は大きな不安材料です。
この記事では、名古屋市で注意したいエリアや犯罪件数など、名古屋市の治安について詳しく解説します。

名古屋市はなぜ「治安が悪い」と言われるのか

名古屋市は、日本の三大都市のひとつで、便利で暮らしやすい街として知られています。
しかし一方で、「治安が悪いのでは?」と心配する声も少なくありません。
では、なぜそのように言われるのでしょうか。背景にはいくつかの理由があります。

  • 繁華街や駅周辺の夜のイメージが強い
  • ネットやクチコミで広まった情報
  • 一部のエリアの印象が強調されやすい

繁華街や駅周辺の夜のイメージが強い

名古屋市内の主要駅周辺、特に名古屋駅・栄駅・金山駅などは、昼間だけでなく夜も人の往来が多いエリアです。
飲食店や商業施設が集まっており、仕事帰りの人や観光客で賑わい、夜遅くまで明かりが絶えません。
繁華街もあることから「治安が悪いのでは」と感じる人もいますが、実際には警察の巡回や防犯カメラの整備が進んでおり、落ち着いて暮らせるエリアも多くあります。

ネットやクチコミで広まった情報

名古屋市の治安について「危ない」「住みにくい」といったイメージが広まる理由のひとつに、ネットやクチコミ情報があります。
SNSなどでは、一部の事件や印象的な出来事だけが切り取られて拡散されることが多く、実際の治安状況より悪く伝わりやすい傾向があります。
拡散されやすい情報はあくまで一部であり、市全体の治安を正確に示すものではありません。
ネット上の印象だけで判断せず、公式データや現地の雰囲気を確認することが大切です。

一部のエリアの印象が強調されやすい

名古屋市には16区あり、エリアごとに街の雰囲気や人の流れが大きく異なります。
特定の区や繁華街で起きた出来事が際立って見え、「名古屋は治安が悪い」という印象が市全体に広がってしまうことがあります。
名古屋市には落ち着いた住宅街も多く、犯罪件数が比較的少ないエリアも多く存在します。
エリアごとの差を知ることで、自分に合った安心して暮らせる地域を見つけやすくなります。

実際のデータから見る名古屋市の治安

名古屋市の治安について、より正確に知りたい場合は、実際の犯罪発生件数など「数字」で確認することが大切です。
愛知県警察や名古屋市が公表している犯罪発生件数データをもとに、名古屋市の治安状況を見ていきましょう。

名古屋市全体の犯罪件数(令和6年)

刑法犯認知件数 増減件数 増減率
21,245件 1,388件 7.0%

※増減件数および増減率は前年同期比の数値です。

令和6年の名古屋市における刑法犯認知件数は「21,245件」でした。
前年と比べると1,388件増加しており、増減率は7.0%となっています。

過去5年間の犯罪認知件数の推移

年度 刑法犯認知件数
令和2年 16,225件
令和3年 15,840件
令和4年 17,143件
令和5年 19,857件
令和6年 21,245件

過去5年間の刑法犯認知件数を見ると、令和3年は15,840件とやや減少しましたが、その後は増加傾向にあります。
この傾向は名古屋市だけでなく全国的にも同様で、都市部を中心に犯罪件数は増加しています。

政令指定都市との比較(令和6年)

順位 刑法犯認知件数 犯罪率
1位 大阪市(40,011件) 大阪市(1,435件)
2位 名古屋市(21,245件) 名古屋市(912件)
3位 横浜市(17,499件) 福岡市(873件)

※犯罪率は人口10万人あたりです。

人口が多い大都市では、どうしても犯罪件数が多くなる傾向があります。
令和6年のデータを見ると、名古屋市は政令指定都市の中で「認知件数」「犯罪率」ともにワースト2位となっており、大阪市に次ぐ高さとなっています。

ただし、これはあくまで市全体の数字であり、実際には区ごとに治安の差があります。
繁華街や人が集まりやすい場所で犯罪が発生しやすい一方、住宅街や郊外では比較的落ち着いて暮らせる地域も多くあります。

名古屋市の重点犯罪と発生状況(令和6年)

犯罪種類 件数 増減件数 増減率 政令指定都市中の順位
住宅対象侵入盗 336件 -14件 -4.0% 1位
自動車盗 369件 71件 23.8% 1位
自転車盗 5,739件 366件 6.8% 2位

※増減件数および増減率は前年同期比の数値です。

令和6年のデータによると、名古屋市では特に「住宅対象侵入盗」「自動車盗」「自転車盗」が重点犯罪として挙げられています。
住宅対象侵入盗と自動車盗が政令指定都市ワースト1位、自転車盗がワースト2位となっています。
名古屋市ではこれら3種類の犯罪が特に発生しやすく、警戒が呼びかけられています。

参考:名古屋市公式ウェブサイト「令和6年中 名古屋市内犯罪状況」

名古屋市で犯罪件数が多い区と傾向(令和6年)

名古屋市内でも、区によって治安状況には差があります。
愛知県警が公表している「刑法犯(警察署別)」のデータをもとに、犯罪件数の多い区を上位5位までまとめました。

順位 区(警察署) 認知件数 増減件数 増減率
1位 中区 3,490件 183件 5.5%
2位 中村区 2,417件 185件 8.3%
3位 中川区 1,952件 142件 7.8%
4位 港区 1,540件 298件 24.0%
5位 守山区 1,488件 229件 18.2%

※増減件数および増減率は前年同期比の数値です。

令和6年の刑法犯の認知件数を区別に見ると、最も件数が多いのは中区で、続いて中村区、中川区が上位に入っています。
中区や中村区は繁華街や商業施設が集中しているため、人の往来が多く犯罪が発生しやすい傾向があります。

上位に入っている区でも住宅街では比較的落ち着いた環境が広がっているエリアもあるため、実際に住む地域の特徴を確認することが大切です。

参考:愛知県警察「令和6年中の犯罪の概況」

※最新の情報は下記公式サイトをご確認ください。

参考:名古屋市公式ウェブサイト(市内の犯罪発生状況) 参考:愛知県警察(犯罪の発生・検挙状況(刑法犯認知・検挙状況))

名古屋市で治安面に注意したいエリアは?

名古屋市の中でも、令和6年の犯罪データをもとに「犯罪件数が多い」とされる区について、特徴や注意したいポイントを解説していきます。

  1. 中区
  2. 中村区
  3. 中川区
  4. 港区
  5. 守山区

1.中区

名古屋市の中心部に位置する中区は、栄・金山・大須などの繁華街や商業施設が集まるにぎやかな地域です。
買い物や通勤・通学、観光客など人の流れが多く、昼夜を問わず活気があります。

繁華街エリアでは飲食店や人通りが多いため、治安面では注意が必要。
特に夜遅い時間帯は、周辺環境や帰宅ルートの確認が重要となります。

中区内にも閑静な住宅街は存在しており、「繁華街エリア」と「住宅街エリア」で住みやすさが大きく異なります。
アクセスや利便性を重視する方にとっては、魅力的な区といえるでしょう。

中区で注意したいポイント

・栄や大須などの繁華街やにぎやかなエリアは、昼と夜の両方の雰囲気を確認する。
・飲食店や人通りが多いエリアでは、夜遅い時間帯の周辺環境もチェックすると安心。
・女性の一人暮らしや子育て世帯は、駅や繁華街から少し離れた住宅街エリアを検討すると安心。

名古屋市中区の住みやすさとは?不動産会社の社員に聞いた実際の住み心地は?

2.中村区

中村区は、名古屋駅を中心に商業や交通の拠点として発展している地域です。
名古屋駅の東側(桜通口)はビジネス街として整備が進む一方、西側(太閤通口)には居酒屋や繁華街、雑居ビルが多く見られます。
そのため、駅周辺では夜間の雰囲気や人通りに注意が必要なエリアもあります。

中村公園周辺などには落ち着いた住宅街も広がっており、区全体が住みにくいというわけではありません。
名古屋駅に近いという利便性は大きな魅力のため、生活スタイルに合ったエリア選びが重要です。

中村区で注意したいポイント

・特に名古屋駅西側は夜間の人通りや雰囲気を事前に確認する。
・駅近を選ぶ場合は、昼夜の環境差に注意。
・落ち着いた住環境を求める場合は、名古屋駅から少し離れた住宅街も検討する。

名古屋市中村区の住みやすさとは?不動産会社の社員に聞いた実際の住み心地は?

3.中川区

中川区は名古屋市の西部に位置し、住宅街を中心に工業地帯や商業施設が点在する地域です。
エリアによって街の雰囲気に差があり、場所によっては夜間に人通りが少なくなることもあります。

令和6年の犯罪データでは、中川区は名古屋市内でも犯罪件数が比較的多い区のひとつに含まれていますが、区内にはファミリー世帯が多く暮らす落ち着いた住宅街も多く見られます。
住むエリアによって治安の感じ方に差が出やすい区といえるでしょう。

中川区で注意したいポイント

・工業地帯や大型商業施設周辺は、夜間の人通りや街の明るさを確認する。
・夜に人通りが少なくなるエリアでは、街灯や駅からの距離もチェックする。
・住宅街中心のエリアを選ぶことで、落ち着いた住環境を確保しやすい。

中川区の住みやすさとは?不動産会社の社員に聞いた実際の住み心地は?

4.港区

港区は名古屋市の南西部に位置し、名古屋港を中心とした工業地帯や物流施設が多い地域です。
工業エリアや港湾エリアでは、夜間に人通りが少なくなる場所もあり、防犯面で注意が必要。

令和6年の犯罪データでは、港区も名古屋市内で犯罪件数が比較的多い区のひとつに含まれているため、周辺環境や時間帯ごとの様子を事前に確認しておくことが大切です。

港区内には住宅街や大型商業施設も点在しており、ファミリー世帯が暮らしやすいエリアも多くあります。
住む場所を選べば、落ち着いた生活がしやすい区といえるでしょう。

港区で注意したいポイント

・工業地帯や港湾エリア周辺は、夜間の人通りや明るさを確認する。
・人通りが少なくなる時間帯の周辺環境もチェックする。
・住宅街や商業施設が整ったエリアを中心に検討すると安心。

名古屋市港区の住みやすさとは?不動産会社の社員に聞いた実際の住み心地は?

5.守山区

守山区は名古屋市の北東部に位置し、住宅街を中心に自然や公園が多く残る、比較的落ち着いた雰囲気のエリアです。
戸建て住宅やファミリー向け物件が多く、近年は住宅開発も進んでいます。

エリアによっては駅から離れた場所もあり、夜間は人通りが少なくなる地域も見られます。
繁華街が集中している区ではないため、公共交通機関の利便性が低いエリアもあり、夜間の交通量は比較的少なめです。

静かな住環境を求める方に向いているエリアが多い一方、生活のしやすさや安心感は住む場所によって差が出やすい区といえるでしょう。

守山区で注意したいポイント

・駅から距離があるエリアは、夜間の人通りや街灯の有無を確認する。
・車移動が前提になるエリアもあるため、生活スタイルに合うか確認する。

名古屋市守山区の住みやすさとは?不動産会社の社員に聞いた実際の住み心地は?

人が集まりやすい名古屋市内のエリアと注意点

ここまで、令和6年の犯罪データをもとに、犯罪件数が多い区について見てきました。
ランキングには入っていなくても、イベントや商業施設などの影響で人が集まりやすく、注意が必要なエリアもあります。
名古屋市内の中でも「人が集まりやすいエリア」とその注意点について解説します。

今池周辺

今池周辺は、飲食店やパチンコ店、ライブハウスなどが集まるにぎやかなエリアです。
繁華街があることから、時間帯によって人の出入りが多く、夜間は昼間と街の雰囲気が大きく変わることもあります。

繁華街から少し離れた場所には、落ち着いた住宅街も広がっています。
また、地下鉄東山線と桜通線の2路線が利用できるため、通勤・通学や買い物にも便利な地域です。

「利便性を重視」と「静かな住環境を重視」で、住みやすさの感じ方が分かれやすいエリアといえるでしょう。

バンテリンドーム ナゴヤ周辺

バンテリンドーム ナゴヤ周辺は、プロ野球やコンサートなどのイベント開催時に、多くの人が集まるエリアです。
普段は比較的落ち着いた住宅街が広がっていますが、イベント開催日には人の流れが一気に増えるのが特徴。
イベント終了後の時間帯は、混雑や騒音が発生しやすくなるため、イベント開催日の様子や帰宅ルートなど、事前に確認しておくと安心です。

ドーム前には大型商業施設もあり、日常生活の利便性は比較的高め。
イベントがない日は落ち着いた環境で暮らせるエリアも多いため、イベント時と平常時の違いを理解したうえで、防犯意識を持って生活することが大切なエリアといえるでしょう。


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名古屋市で比較的治安が良いとされるエリア

ここでは、令和6年の犯罪データをもとに、名古屋市内で犯罪件数が比較的少ない区を紹介します。

順位 区名 犯罪認知件数 エリアの特徴
1位 瑞穂区 636件 住宅街が中心で落ち着いた環境
2位 昭和区 692件 文教地区・ファミリー層が多い
3位 熱田区 731件 緑豊かで落ち着いた環境
4位 名東区 790件 郊外型・ファミリー人気
5位 天白区 862件 緑が多く比較的落ち着いている
参考:愛知県警察「令和6年中の犯罪の概況」
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名古屋市で住むエリア選びに失敗しないためのポイント

ここでは、名古屋市で安心して暮らすために意識したい「防犯面のチェックポイント」と「お部屋探しのコツ」を解説します。

エリア選びで意識したい防犯対策のポイント

名古屋市に限らず、都市部では人の出入りが多いエリアほど、時間帯によって街の雰囲気が大きく異なります。
そのため、物件周辺の環境は昼間だけでなく、夜間の人通りや明るさも含めて確認しておくことが重要。
特に女性の一人暮らしや子育て世帯の方は、「駅からの近さ」だけで判断せず、夜間でも安心して歩ける環境かどうかも大切です。

防犯面でチェックしたいポイント

・昼だけでなく、夜間の人通りや街の明るさも確認する。
・駅から自宅までの帰宅ルートに街灯があるか。
・繁華街や飲食店が近い場合、深夜帯の雰囲気も見ておく。
・コンビニや交番が近くにあるかどうか。

防犯を意識したお部屋探しのコツ

名古屋市で安心して暮らすためには、エリア選びだけでなく物件選びの視点も重要です。
防犯設備の有無や建物の管理状態によって、住み心地や安心感は大きく変わります。
ここでは、お部屋探しの際に確認しておきたいポイントをまとめました。

お部屋探しで意識したいポイント

・オートロックやモニター付きインターホンの有無。
・エントランスや共用部分の管理状態。
・建物周辺に死角になりやすい場所がないか。
・夜間でも建物周辺が明るいかどうか。

名古屋市のエリア選びは「何を重視するか」が大切

名古屋市は、区やエリアによって街の雰囲気や治安、住みやすさが大きく異なります。
繁華街や人が集まりやすいエリアは、治安面で注意が必要ですが、交通アクセスや生活の利便性が高いというメリットもあります。
一方で、駅から少し離れた住宅街では、静かで落ち着いた環境を得られる反面、利便性がやや下がる場合もあります。

「どこが良い・悪い」と一概に決めるのではなく、自分が何を重視するかを明確にすることが大切です。
エリア選びの際に重視したいポイントをまとめましたので、参考にしてみてください。

・治安や夜間の安心感を重視したい
・通勤・通学の利便性を重視したい
・駅からの距離や交通アクセスを重視したい
・静かな住環境を重視したい
・買い物や飲食店の充実度を重視したい

治安と住みやすさのバランスを考えることが大切なのだ!


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NARUHODO FUMU FUMU

愛知・岐阜・三重で50年以上、地域密着の直営主義でお部屋探しを提供している不動産会社【ニッショー】が運営するWebマガジン。
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