路面店とは?テナントやロードサイド店舗との違いもわかりやすく解説

路面店とは

「路面店」とは、建物の1階部分で、通りに面している店舗のことを指します。
通行人が直接お店の入口にアクセスできるのが特徴です。飲食店、アパレルショップ、美容院など、さまざまな業種で見られます。

路面店の言い換え

「路面店」は以下のように言い換えられることがあります。

●1階店舗
●独立店舗
●通り沿い店舗
●ストリートショップ

ただし、すべてが完全に同義ではなく、若干ニュアンスが異なることもあるので文脈に合わせて使い分けましょう。

テナント店との違い

ここでは、よく混同されがちな路面店とテナント店との違いを紹介します。

「テナント店」は、ビルやショッピングモールなどの建物に入居している店舗全般を指す言葉です。
そういう意味では、路面店もテナント店の一種ということになりますが、ショッピングモールの中にある1階店舗は「路面店」とは呼ばれません。
路面店とテナント店の違いは、「建物の中を通らずに外から直接アクセスできるかどうか」です。
そのため、同じ1階であっても「ショッピングモールの中を通って入る1階の店舗」はテナント店といい、路面店ではないとされています。

分類 立地 視認性 建物形態
路面店 通りに面した1階部分 高い 比較的高い
テナント店 ビルやモールの中 やや低い 施設のルールに制限されることがある

路面店は独立性が高く、自由度のある営業が可能です。
一方、テナント店は商業施設の集客力を活かしやすいというメリットがあります。

ロードサイド店舗との違い

「路面店」と「ロードサイド店舗」もよく似ており、どちらも道に面した店舗という共通点があります。

しかし、歩行者が来店する店舗が「路面店」で、車での来店を前提としているのが「ロードサイド店舗」という違いがあります。
そのため、「路面店」は街中の駅前や繁華街の歩道沿いにあり、「ロードサイド店舗」は郊外の幹線道路沿いに駐車場を完備してあることが多いです。
ターゲットや営業スタイルによって、どちらが向いているかは変わってきます。

分類 立地 交通手段 建物形態
路面店 駅や繁華街の歩道沿い 徒歩や電車など ビルの1階が多い
ロードサイド店舗 車通りの多い幹線道路沿い 駐車場付きの独立建物が多い

路面店は、繁華街や駅の周辺など、歩行者が集まりやすいエリアにあることが強みです。
一方、ロードサイド店舗は、郊外の車通りが多い道路沿いに位置し、広い駐車スペースを確保できる点が特徴です。

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空中店舗・地下店舗との違い

つづいて、「路面店」と「空中店舗」、「地下店舗」との違いを紹介します。
主に階数の違いがあり、どの形態が合うかは業種やお店のスタイル次第です。

分類 階数
路面店 1階 商店街のパン屋さん、駅前のカフェ
空中店舗 2階以上 ビルの2階にある美容室や歯科医院
地下店舗 地下1階など 地下のバー、ライブハウス

■路面店は「見つけやすくて入りやすい」

路面店は通りに面した1階にあり、外から直接アクセスできるのが特徴です。
最大のメリットは視認性の高さと集客力の強さです。
道を歩いている人の目に自然と入りやすいため、ふらっと立ち寄る来店も期待できます。
特に新規のお客さんを増やしたい業種に向いています。

メリット

・視認性が高く、集客しやすい
・「お店があること」に気づいてもらいやすい
・看板や外観でブランドイメージを伝えやすい

向いている業種
・カフェ、ラーメン店などの飲食店
・美容院
・アパレルショップ

ただし、人通りが多い場所はそのぶん賃料も高い可能性があります。
また、外観や看板にも、ある程度のコストがかかることを考えておく必要があります。

■空中店舗は「静かでコスパ重視」

空中店舗はビルの2階以上にある店舗のこと。
路面店よりも賃料が抑えられやすく、静かで落ち着いた空間がつくりやすいのがポイントです。

メリット

・賃料が比較的安い
・静かな環境で施術や接客に集中できる

向いている業種
・美容院、ネイルサロン
・パーソナルジム
・英会話、音楽などの教室

ただし、道行く人からは見えづらいため、看板やSNSでの認知づくりが大切になります。
リピーターの多い業種に向いており、落ち着いた雰囲気を求めるお客さんには好まれます。

■地下店舗は「こだわり重視の隠れ家スタイル」

地下にある店舗は、外からの視認性は低いものの、そのぶん隠れ家感や非日常感を演出しやすいのが魅力です。
世界観や雰囲気を大切にする業種に向いています。

メリット

・独特の雰囲気や没入感を演出できる
・他店舗と差別化しやすい

向いている業種
・バー、スナック
・ライブハウス、クラブ
・ギャラリー、古書店など

その反面、「場所がわかりにくい」「入りづらい」と感じられることもあるため、内装や口コミ、SNSでのブランディングが重要になります。

路面店のメリット

路面店には、他の形態の店舗にはない数々の魅力があります。ここでは、代表的なメリットを紹介します。

メリット

・集客力が高い
・宣伝効果が高い
・自由度が高い
・店にスムーズに入れる
・営業時間の規制が少ない
・認知度が上がりやすい
・誘致しやすい

・集客力が高い

路面店は通行人の目に留まりやすく、ふらっと立ち寄ってもらえる可能性が高いのが特長です。
特に人通りの多いエリアや、観光地・繁華街などでは、広告や宣伝をしなくても一定の集客が見込めます。
お店の前を通る人すべてが「潜在的なお客さま」になるのは、路面店ならではの強みです。

・宣伝効果が高い

路面店は、店舗自体が広告媒体として機能します。
外観デザインや看板、ウィンドウディスプレイなどを工夫することで、お金をかけずに高い宣伝効果を発揮できます。
たとえばカフェやアパレルショップなどは、店舗の雰囲気がそのままブランドイメージにつながるため、路面店との相性も抜群です。

・自由度が高い

路面店はショッピングモールやビルイン店舗と違い、内装・外装の演出や看板の設置、商品の陳列方法などに自由度があります。
季節ごとの装飾やプロモーションも柔軟に対応でき、自分らしいお店作りを目指す人にはぴったりです。

・店にスムーズに入れる

入口が通りに面しているため、歩行者からすぐに見え、「ちょっと入ってみようかな」と思わせる導線が自然にできます。
ショッピングモールのようにフロア移動が不要で、気軽に立ち寄れるのもポイントです。

・営業時間の規制が少ない

商業施設に入っているテナントとは違い、営業時間の縛りが少ないのも路面店の魅力です。
早朝営業や深夜営業、定休日の設定なども自由に決められるため、ターゲット層に合わせた営業スタイルを取り入れやすくなります。

・認知度が上がりやすい

目に触れる機会が多いことで、お店の存在を知ってもらいやすくなります。
SNSやWeb広告での認知とあわせて、実店舗が実際に「見える」ことで信頼感や安心感にもつながりやすく、リピーター獲得にも有利です。

・誘致しやすい

人通りの多い路面店は、貸し手からも人気があります。
特に商店街や駅前のようなエリアでは、店舗が入っていること自体がエリアの活性化にもつながるため、テナント誘致も積極的に行われています。空きが出にくい反面、出たときには注目度も高くなります。

路面店のデメリット

一方で、路面店にはいくつか注意すべき点もあります。出店を検討する際は、こうしたデメリットも踏まえて検討しましょう。

デメリット

・コストがかかる
・物件数が少ない
・「ついで買い」が期待できない
・天候の影響を受けやすい
・ライバル競争が激しい
・お店周辺の治安や雰囲気も大事

・コストがかかる

路面店は立地が良い場所に多く、相場よりも家賃が高くなる傾向があります。また、初期費用も高くなることが多く、出店にある程度の資金が必要です。収益性の高い業種でないと、ランニングコストに見合わない可能性もあるので注意が必要です。

・物件数が少ない

駅近や繁華街などの人気エリアでは、路面物件はそもそも数が少なく、空きもなかなか出ません。
空いたとしてもすぐに埋まってしまうことが多く、希望の条件に合う物件を見つけるには時間と根気が必要です。

・「ついで買い」が期待できない

ショッピングモール内の店舗では、買い物や映画などの「ついで」に来店してもらえることが多いですが、路面店では来店の明確な動機が必要になります。
しかし、通りすがりによる「ふらっと」来店の可能性もあるため、興味を引きやすく入りやすい店舗づくりが大切です。

・天候の影響を受けやすい

屋外に面しているため、天候によって客足が大きく左右されることもあります。特に雨や雪、猛暑・極寒の日は来店者数が減りやすく、業種によっては売上が大きく落ち込む日も。雨の日限定のサービスなど、天候の変化に対応した営業戦略が求められます。

・ライバル競争が激しい

人気のエリアや商店街には、同業種のライバルも多く集まりやすくなります。
立地だけでなく、サービスや価格、商品力などでの差別化が求められます。立地が良くても、ただ出店すれば売れるというわけではありません。

・お店周辺の治安や雰囲気も大事

路面店は、お店周辺の雰囲気や安全性が直接集客に影響します。ゴミや放置自転車が散乱していたり、治安があまり良くなかったりすると、客足が遠のいてしまいます。
物件選びの際は、周辺住民の層や時間ごとの街の雰囲気までチェックしましょう。

路面店に向いている業種・向いていない業種

路面店を検討している方は、自分の業種が本当に向いているかどうかを見極めることが大切です。
ここでは、路面店に向いている業種と、そうでない業種について解説します。

向いている業種

  • ●飲食店
    カフェ・ファーストフード・ラーメン店などの飲食店は、「通行人に気づいてもらいやすい」という路面店の特性と相性が良いです。
    看板や匂い、外から見える店内の様子が、ふらっと立ち寄る動機になることも多く、通りがかりの集客も期待できます。
  • ●美容院
    外観や雰囲気でイメージを伝えやすいため、目立つ場所にあることが新規客の獲得につながります。
    駅の近くなど通いやすい場所に出店することで、自然な集客も生まれやすく、リピーターづくりにも効果的です。
  • ●アパレルショップ
    ショーウィンドウや店頭ディスプレイで、商品や世界観を伝えられる点が強みです。
    路面店ならではの「見せる工夫」がしやすく、通行人に足を止めてもらえるチャンスも増えます。
  • ●コンビニやドラッグストア
    利便性を重視される業種では、「すぐに見つかる」「入りやすい」という路面店の立地が非常に重要です。
    生活導線上にあることで、リピート率も高くなります。

向いていない業種

  • ●オフィスや事務所系
    集客を必要としない業種では、通行人の目に触れる立地はあまり意味がありません。
    設備や通信環境、静かさなどが優先されるため、ビルの中や空中階の方が適しています。
  • ●倉庫や作業場
    人目に触れる場所である必要がなく、むしろ広さやコストパフォーマンスが重要です。
    路面店のような一等地は、賃料に見合わない可能性が高いです。
  • ●予約制、会員制の店舗
    プライバシーを重視する顧客が多い業種では、目立つ立地が逆効果になることもあります。
    隠れ家感のある空中店舗やビルの奥まった場所の方が、安心して通えると感じる人も少なくありません。

路面店で成功するコツ

路面店は立地や自由度の高さが魅力ですが、周辺環境や見せ方によって結果が大きく変わります。
ここでは、路面店で成功するために押さえておきたいポイントを紹介します。

1.ターゲット層の動線を把握する
2.外観・看板でしっかりアピールする
3.SNSや地図アプリと連携する
4.近隣店舗との関係性も大切にする

1.ターゲット層の動線を把握する

まずは「誰に来てほしいのか」を明確にして、その人たちが通る道や時間帯を把握しましょう。
通行量が多い=集客できるとは限らず、ターゲットに合っていないと来店にはつながりません。
たとえば学生向けなら学校帰りの通学路、主婦層ならスーパーや病院の近く、ビジネスマンなら駅近やオフィス街など、時間帯と属性のマッチがカギになります。

2.外観・看板でしっかりアピールする

通行人の足を止めてもらうためには、外観や看板、ウィンドウに工夫が必須です。
どんなお店か一目で伝わるデザインや、写真映えするディスプレイは集客力に直結します。
たとえば、以下のような第一印象を意識した設計が効果的です。

●主力商品のビジュアルを出す
●店内の様子・明るさを出す
●遠くからも視認できるフォントや配色を使う

3.SNSや地図アプリと連携する

現代の来店動機は「リアル+ネット」で成り立っています。
たとえ立地が良くても、SNSやGoogleマップに情報がなければ見落とされてしまうことも。
InstagramやXで新商品やイベントの情報を発信したり、Googleビジネスプロフィールに営業時間・定休日・写真をしっかり登録したりと、オンラインの情報整備も忘れずに行いましょう。

4.近隣店舗との関係性も大切にする

路面店は地域とのつながりが結果に影響しやすいです。
近隣店舗と挨拶を交わしたり、地域の清掃活動に協力したりすることで、トラブルを防ぎながら口コミや紹介にもつながります。
また、同じ業種が並ぶエリアでは差別化が大切ですが、たとえばカフェ×雑貨店でのイベント開催など、異業種との連携が相乗効果を生むこともあります。


路面店は集客に強い一方で、賃料が高めで競争も激しいため、向いていない業種が出店してしまうとコストが負担になることも。
まずは「路面店である必要性」を考えたうえで、立地を選ぶことが成功への第一歩です。

自分のお店が「路面店」に向いているかチェックするのだ~

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NARUHODO FUMU FUMU

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