ロードサイド店舗とは?メリット・デメリットと成功するためのポイント解説

ロードサイド店舗とは

ロードサイド店舗とは、幹線道路や交通量の多い通り沿いに立地する店舗のことを指します。
車での来店を前提としており、広い敷地や駐車場を備えている点が特徴です。
郊外や市街地の外れに多く、飲食店・ドラッグストア・家電量販店など、日常的な利用が多い業種によく見られます。
ロードサイド店舗には、主に以下の3タイプがあります。

①独立型店舗

単独で建つ個別の店舗で、それぞれに専用の駐車場を備えているのが特徴です。
カフェチェーンやファーストフードなどの飲食店、ドラッグストア、家電量販店などに多く見られ、ブランド力のある企業が多く出店しています。

②複合商業施設型(オープンモール型)

同じ敷地内に複数の独立店舗が並ぶ形式のことで、「○○タウン」といった名称の施設として展開されているのが一般的です。
よくある店舗の例としては、食品スーパーやドラッグストア、クリーニング店、喫茶店などがあります。
駐車場は共用で使われることが多く、駐車場の周りを囲うように各店舗が配置されています。
このような形式は、「パワーセンター」や「ネイバーフッド型ショッピングセンター」と呼ばれることもあります。

③大型ショッピングモール型

イオンモールのような大規模商業施設がこれにあたります。
主に郊外の幹線道路沿いに立地し、巨大な共用駐車場を備えています。
多くの集客が見込める一方で、競合も多く、モール自体の集客力に左右されやすいという側面もあります。
なお、こうしたモール内に出店しているテナントのことは、一般に「商業施設内店舗」として分類されます。

路面店との違い

「ロードサイド店舗」と「路面店」では、同じ路面に面している店舗でも、立地やターゲット層が異なります。
車での来店を前提としているのが「ロードサイド店」で、歩行者が来店する店舗が「路面店」という違いがあります。

分類 立地 交通手段 建物形態
ロードサイド店 車通りの多い幹線道路沿い 駐車場付きの独立建物が多い
路面店 駅や繁華街の歩道沿い 徒歩や電車など ビルの1階が多い

ロードサイド店舗は、車でのアクセスがしやすく、郊外の住民や高齢者にも利用されやすい点が特徴です。
一方、路面店は人通りの多いエリアで、徒歩客や通行人へのアプローチが得意です。

路面店とは?テナントやロードサイド店舗との違いもわかりやすく解説

ロードサイド店舗のメリット

ロードサイド店舗には、他の形態の店舗にはない数々の魅力があります。ここでは、代表的なメリットを紹介します。

メリット

・集客力が高い
・駐車場を確保しやすい
・設計の自由度が高い
・リピーターを獲得しやすい
・ファミリー層に強い
・多業種に対応しやすい
・テナント料が比較的安い

・集客力が高い

交通量の多い幹線道路沿いに立地するため、多くのドライバーや通行人の目に留まりやすく、高い集客効果が期待できます。
また、視認性の高さがブランド認知度の向上にも寄与します。

・駐車場を確保しやすい

敷地が広く確保されている物件が多く、十分な駐車スペースを備えている点は大きな強みです。
車での来店が前提となるため、駐車場の広さや出入り口の配置を快適にすることが大切です。

・設計の自由度が高い

ロードサイド店舗は、内装や外装の設計自由度が高いのが特徴です。
ドライブスルーの設置やブランドイメージに合わせた空間づくりなど、業種に応じた柔軟な店舗運営が可能です。

・リピーターを獲得しやすい

生活圏や通勤ルート上にある立地が多く、周辺住民や通行者によるリピート利用が見込めます。
車での移動が主流な地域では、「駐車しやすい」「立ち寄りやすい」と感じてもらいやすく、リピートにもつながります。

・ファミリー層に強い

ベビーカー利用者や高齢者も来店しやすい設計にしやすく、ファミリー層にアプローチしやすいのもメリットです。
キッズスペースやバリアフリー対応など、多世代に配慮した店舗づくりがしやすい環境です。

・多業種に対応しやすい

飲食や物販だけでなく、フィットネス・美容室・整体・学習塾など幅広い業種に対応できる柔軟性があります。
地域密着型サービスとの相性も良く、多様な事業にとって出店しやすい選択肢となります。

・テナント料が比較的安い

都市部の駅前や商業施設内のテナントに比べて、賃料が安価に設定されていることが多く、初期投資や運営コストを抑えやすい点も魅力です。
コストを抑えて出店したい方にとって、現実的な選択肢となります。

ロードサイド店舗のデメリット

一方で、ロードサイド店舗にはいくつか注意すべき点もあります。出店を検討する際は、こうしたデメリットも踏まえて検討しましょう。

デメリット

・車がないと行きにくい
・天候や季節に左右されやすい
・物件数が少ない
・初期費用、維持費が高い
・集客に広告が必要
・テイクアウト対応が必要な場合がある

・車がないと行きにくい

ロードサイド店舗は駅から離れていることが多く、基本的に車利用を前提とした立地です。
そのため、免許を持たない層や公共交通機関を使う人の集客には不向きです。
ターゲット層を明確にしたうえで、駐車場の整備や看板設置など、来店しやすさを高める工夫が求められます。

・天候や季節に左右されやすい

ロードサイド店舗は車でのアクセスが中心とはいえ、雨の日や真夏・真冬など天候が悪い日には外出を控える人も多く、来店数にばらつきが出やすい傾向があります。
天候に左右されにくい集客施策を検討する必要があります。

・物件数が少ない

出店できるロードサイド物件はもともと数が限られており、人気エリアでは競争率が高くなりがちです。
条件に合う物件を見つけるまでに時間がかかることもあるため、計画的な物件探しが重要です。

・初期費用、維持費が高い

敷地が広く、賃料や工事費など初期費用が高額になる傾向があります。
また、広い分だけ光熱費や清掃費といったランニングコストもかさみやすく、予算管理には注意が必要です。

・集客に広告が必要

自然な人通りが期待できないため、能動的な宣伝が欠かせません。
運転中の目に留まりやすい看板・照明の工夫に加え、SNSやGoogleビジネスプロフィール、チラシ配布など多方面からの集客戦略が求められます。

・テイクアウト対応が必要な場合がある

特に飲食業では、車での来店者に対応するため、テイクアウトやドライブスルーの動線を確保することが重要です。
「店内が混んでいるときはテイクアウトにしたい」「家でゆっくり食べたい」というニーズに対応することが集客力にも影響します。

ロードサイド店舗に向いている業種

ここでは、ロードサイド店舗に向いている業種を紹介します。

向いている業種

  • ●飲食店
    ファミリーレストランやカフェ、喫茶店のチェーン店などは、家族での外食ニーズを捉えやすい業種です。
    駐車スペースが確保しやすく、滞在時間が長めでも回転率にこだわりすぎず営業できます。
  • ●ドラッグストア、ディスカウントストア
    日用品や食品を取り扱うこれらの店舗は、ついで買いやまとめ買い需要があり、駐車場の使いやすさが集客の決め手になります。
    視認性の高い立地を選ぶことで認知度も高まります。
  • ●ホームセンター、家電量販店
    商品が大型になりがちな業種は、駐車場からの運搬も想定してロードサイド店舗の立地が有利です。
    平屋または広い売場面積を確保できるのも強みです。
  • ●カー用品店・整備工場・自動車ディーラー
    車でのアクセスが前提の業種。通りがかりの来店や、立ち寄りやすさが売上に直結します。
    屋外スペースも多く必要となるため、ロードサイド店舗が最適です。
  • ●理美容室やフィットネスジム
    地域住民が定期的に通う業種も、駐車場の広さや立地のわかりやすさが集客に貢献します。
    郊外でゆったりと営業できる点で、都市部のビルイン店舗とはまた違ったメリットがあります。

ロードサイド店舗を探す際のポイント

ロードサイド店舗を選ぶときは、立地条件や周辺環境、車の動線などを丁寧にチェックすることが成功への第一歩です。
以下のポイントを押さえておきましょう。

1.運転中でも店舗が見えやすいか
2.出入りがしやすいか
3.周辺環境と相性が良いか
4.駐車場の広さが合っているか
5.現地確認ができるか

1.運転中でも店舗が見えやすいか

交通量の多い幹線道路沿いであっても、看板や建物が見えにくければ来店につながりません。
信号や交差点の近くなど、車が一時停止・減速するポイントに面した立地であれば、ドライバーの目に留まりやすいでしょう。

2.出入りがしやすいか

出入りのしやすさはロードサイド店舗にとって重要です。
来店客の利便性に直結するため、以下の点をしっかり押さえましょう。

・中央分離帯がある道路沿いは要注意
反対車線からの右折入店ができないと、わざわざ遠回りする必要があり、来店をためらうお客さんもいます。右折入店がスムーズにできるかどうかは大きな差になります。

・駐車場はわかりやすく
入り口と出口がはっきりしていて、車がスムーズに回転できる配置が理想的です。迷わずに停められるのがポイントです。

・歩行者の安全性も考慮する
郊外でも近隣の住民が徒歩で来る可能性はゼロではありません。事故が起こらないよう、安全な歩行ルートを確保しましょう。

3.周辺環境と相性が良いか

出店予定の場所が住宅地・学校・病院などと近い場合は、生活関連の商品やサービスと相性が良いです。
また、同業他社や競合店舗の有無もリサーチしましょう。
同業が少ない立地では需要を独占できるチャンスですが、競合が多すぎるエリアでは集客が難しくなる可能性があります。

4.駐車場の広さが合っているか

ロードサイド店舗では、広さと駐車スペースのバランスが重要です。
店舗面積が広くても駐車場が少ないと機会損失になります。
逆に駐車場が広すぎても管理コストがかかる場合があります。

5.現地確認ができるか

Googleマップやストリートビューを活用して、実際の道路状況や周辺の建物、駐車場の広さや入りやすさなどを事前に確認しておくことが大切です。
特に中央分離帯の有無や、信号の位置、周囲の交通量などは、集客のしやすさを左右するポイントとなります。

ロードサイド店舗で成功するコツ

ロードサイド店舗の成功は、立地の良さだけでなくターゲット層に合わせた運営や集客の工夫がカギとなります。
具体的なポイントを見ていきましょう。

■ターゲット層の明確化
■駐車場配置の工夫
■視認性の向上
■業種に合わせた店内環境
■季節・天候・交通量への対応

■ターゲット層の明確化

ロードサイド店舗は、主に車での来店がメインの家族連れや高齢者、郊外住民をターゲットにしています。
車社会の地域に適しているため、公共交通機関利用者は少ない点に注意しましょう。
大きなショッピングモールや商業施設の混雑を避けて、ゆったりとした環境で買い物や食事を楽しみたい顧客層をターゲットにするのも効果的です。

■駐車場配置の工夫

来店のハードルを下げるために、十分な駐車台数とわかりやすい出入り口の配置が重要です。
駐車場が狭い場合や入りにくい造りの場合は、せっかくの好立地でも来店機会を減らしてしまいます。

■視認性の向上

幹線道路沿いの店舗は、看板の大きさや設置場所、夜間の照明などを工夫して視認性を高めることが集客につながります。
特に夜間営業をする場合は、明るさやデザインにも気を配りましょう。

■業種に合わせた店内環境

ロードサイド店舗は、カフェやファミリーレストランなどの飲食店の場合、長時間の利用を前提としていることが多いです。
そのため、広々としたレイアウトや快適な座席、明るさ・音・温度など、つい長居したくなるような居心地の良さが大切です。
店内環境を整えることで、リピーターの獲得にもつながります。

■季節・天候・交通量への対応

季節や天候によって交通量が大きく変わることもあるため、柔軟な集客戦略が求められます。
たとえば、雨の日限定の割引や、週末の家族向けイベントを企画するなど、状況に応じた工夫が効果的です。


ロードサイド店舗は立地の見極めとターゲットに合わせた運営が成功の鍵です。
交通量や駐車場の出入りやすさを重視し、視認性を高める工夫をすることで集客力を高めましょう。

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NARUHODO FUMU FUMU

愛知・岐阜・三重で50年以上、地域密着の直営主義でお部屋探しを提供している不動産会社【ニッショー】が運営するWebマガジン。
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