IHコンロ付き賃貸のデメリットを知りたい!メリットや向いている人も紹介

「IHコンロ付きの賃貸って、実際どうなんだろう?ガスコンロと比べて不便だったり、後悔したりしない?」
そんな不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

IHコンロは一見スタイリッシュで掃除もラクそうですが、賃貸で選ぶとなると注意点も多く、あとから「こんなはずじゃなかった!」となるケースも少なくありません。

この記事では、IHコンロのデメリットだけでなく、メリットや向いている人も紹介します。これから賃貸を探す方や、IHコンロ付き物件を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

IHコンロの知っておきたいデメリット

IHコンロは「掃除がラク」「安全」といった声も多く、注目されている設備のひとつです。
ですが、実際に使ってみて初ラク気づく「ちょっと不便かも」と感じる点もあります。
まずは、知っておきたいIHコンロのデメリットについて詳しく解説します。

デメリット

・IH対応しか使えない
・火が見えないからこそのリスクがある
・直火調理ができないため調理に慣れが必要
・停電時に使えない

IH対応しか使えない

IHコンロは電磁誘導で加熱するため、使える鍋やフライパンが限られてしまいます。

■使用できない鍋
・アルミ、銅、土鍋(磁力に反応せず加熱できない)
・底が丸い中華鍋(接地面が少ない)
・鍋底を貼り合わせた多層構造の鍋で、底が変色していたり、一部がはがれかけているもの(はがれかけた部分が異常過熱し、赤熱する恐れがある)

解決策

■使用できる鍋の条件
・鉄製、ステンレス製(IH対応マーク付き)
・底が平らでしっかり接地するもの

火が見えないからこそのリスクがある

IHコンロは炎が出ないため、見た目で加熱中かどうかが分かりにくいことがあります。

■やけどのリスク
・炎がないため、加熱中かどうかを一目で判断しにくく、誤って手を触れてしまうことがある

■消し忘れに気付きにくい
・自動で切れる機能があるものの、調理後にスイッチを切り忘れてしまうことがある

■調理後のトッププレートが熱い
・鍋の余熱でトッププレートが高温であるにもかかわらず、うっかり触ってしまう可能性がある
・余熱に気付かずに、プラスチック容器などを乗せてしまうと、変形する恐れがある

解決策

・加熱中は操作パネルの表示やランプの点灯をしっかり確認する
・調理後もトッププレートが熱くなっていることがあるため、「高温注意」などの表示が消えるまでは触れない

直火調理ができないため調理に慣れが必要

ガスコンロでの調理に慣れている人にとっては、調理に慣れが必要かもしれません。

■フライパンを浮かせて炒めることができない
・フライパンを浮かせると加熱が止まってしまうため、鍋を振る調理(炒飯など)がしづらい

■火加減の調整がしづらい
IHコンロは火力を数字で設定するため、火加減の感覚が違ってきてしまうため、慣れるまで時間がかかる場合がある

解決策

・鍋を振る代わりにフライ返しやヘラで食材を混ぜる
・鍋を滑らせるように動かすといった工夫をする

停電時に使えない

災害時や緊急時に、乾電池を使うガスコンロなら使用できますが、電気を使うIHコンロは使えなくなってしまいます。

■お湯を沸かすこともできない
停電をすると、お湯を沸かすこともできなくなるため、災害時の備えが必要

解決策

・カセットコンロを準備しておくと安心
・災害時用の非常食をストックしておく

IHコンロのメリットをチェック

IHコンロにはいくつか注意すべき点もありますが、その一方で、使いこなせばとても便利な特徴も数多くあります。
ここからは、IHコンロならではのメリットについて詳しく見ていきましょう。

メリット

・火を使わないため安全性が高い
・キッチンの掃除が楽
・スピーディーに調理ができる
・部屋が暑くなりにくい

火を使わないため安全性が高い

IHコンロは電磁誘導によって鍋自体を加熱するため、炎が出ることはありません。そのため、安心して使うことができます。

■火事やガス漏れの心配がない
・調理中、布巾や服に引火することがないため、火事のリスクが減る
・ガス漏れや不完全燃焼による一酸化炭素中毒の危険がない

■子どもや高齢者がいる家庭も安心
・鍋が置かれていないと加熱しないタイプも多い
・一定時間が経過すると自動で切れる機能が搭載されているものも多く、消し忘れの心配が少ない

キッチンの掃除が楽

フラットなトッププレートなので、お手入れが簡単です。

■サッと拭くだけで良い
・ガスコンロのように五徳や隙間などがないため、調理後サッと拭くだけで掃除が完了する

スピーディーに調理ができる

鍋底だけを直接加熱するため、ガスよりも効率的に熱が伝わります。

■火力が強いため、お湯が早く沸く
・IHコンロは鍋やフライパンだけが発熱するため、熱効率がガスコンロに比べて約2倍高い(ガスコンロ:約40~55%、IHコンロ:約90%)
・水を沸かす時間が短いため、時短調理に便利

■一定の温度をキープしやすい
・火力を細かく調節できるため、煮込み料理なども安定して行える

部屋が暑くなりにくい

火を使わないため、調理中に部屋の温度が上がりにくいです。

■夏でも快適
・炎が出ないため、暑くなるから料理するのが億劫…ということが減る
・室温が上がりにくいため、エアコンの効率が良くなる

【関連記事】「オール電化賃貸」のメリット・デメリットとは?電気代の節約方法も紹介!

そもそもIHコンロとは?

IHコンロ(IHクッキングヒーター)とは、ガスコンロのように炎を使わず、磁力によって鍋自体を発熱させるため、効率的に加熱ができる調理器具です。
IHは、Induction Heating(インダクションヒーティング)の略で、電磁誘導加熱を意味します。
火を使わないので、安全性が高く、近年人気が高まっています。

IHコンロの仕組み

IHコンロの内部には電磁コイルがあり、電気を流すことで強い磁場が発生します。
この磁場によって、鍋底の金属部分に渦電流(誘導電流)が発生し、鍋自体が発熱するため食材を加熱することができます。

ガスコンロのように“外から加熱する”のではなく、“鍋自体が発熱する”のが特徴です。
この仕組みのため、IHコンロでは磁力に反応する金属製の鍋(鉄やステンレス)しか使用できません。

IHコンロとガスコンロの違い

IHコンロとガスコンロの違いについて、比較しながら見ていきましょう。

 
IHコンロガスコンロ
火力 安定した温度で加熱ムラがない 炎の大きさで微調整できる
安全性 火を使わないため火事のリスクが低い 炎を使うため火の管理や注意が必要
調理器具 IH対応の鍋やフライパンが必要 どんな鍋やフライパンでも可
掃除のしやすさ フラットなトッププレートで簡単 五徳や隙間の掃除が大変
停電時 使えない 使える(乾電池を使うコンロの場合)
コスト 電気代がかかる ガス代がかかる

IHコンロは、火を使わない安全性やお手入れのしやすさが魅力です。
小さなお子さんがいる家庭や、一人暮らしで掃除の負担を減らしたい方におすすめです。

一方、ガスコンロは調理器具を選ばず、炒め物や直火調理など幅広い料理が楽しめるため、料理好きな方や、災害時にも備えたい方に向いています。

IHコンロを快適に使う方法

IHコンロには、安全性の高さや掃除のしやすさなどのメリットがある一方で、鍋の種類が限られたり、火力の調整が難しいといったデメリットもあります。
これらのデメリットをカバーしながら、IHコンロをより快適に使うための方法を紹介します。

  1. IH対応の鍋・フライパンを選ぶ
  2. 調理中はコンロから目を離さない
  3. IHコンロならではの調理に慣れる
  4. 停電時に備える
  5. コンロをきれいに保つ

① .IH対応の鍋・フライパンを選ぶ

前述したように、IHコンロには使用できる鍋やフライパンが限られているため、必ずIH対応のものを使いましょう。
IH対応ではないものを使うと、加熱できなかったり、トッププレートを傷つけたり、場合によってはIHコンロの故障につながることもあります。

②.調理中はコンロから目を離さない

IHコンロは火を使わないため安全と思われがちですが、加熱中の鍋底や調理器具は高温になります。また、油が加熱されすぎると発火の危険もあります。
必ずしも発火しないとは限らないので、調理中はコンロのそばを離れないようにしましょう。

さらに、調理後に高温注意ランプが点灯している場合、トッププレートや鍋はまだ非常に高温であることを意味します。
この状態では触れないようにし、しばらく冷ますことが重要です。

③.IHコンロならではの調理に慣れる

IHコンロは火力調節が細かくでき、熱効率が高いのが特徴ですが、ガスコンロとは使い方に違いがあります。
最初は控えめの火力でスタートし、様子を見ながら調整しましょう。
また、鍋は持ち上げずに滑らせるように動かし、フライ返しやヘラを使って食材を混ぜるなど、鍋を振らずに調理するのがポイントです。

④.停電時に備える

電気が必要なIHコンロは、停電時は使えなくなるというデメリットがあるため、カセットコンロとガスボンベの予備を準備しておくと安心です。
また、停電時用のレトルト食品や保存食をストックしておくのも良いでしょう。

⑤. コンロをきれいに保つ

トッププレートはフラットなため、汚れが広がりやすい反面、拭き取りやすいのが特徴です。
焦げ付きを防ぐためにも、使ったあとは熱が冷めたら必ず拭くようにしましょう。

焦げが付いてしまった場合はIH用の洗剤や重曹を使い、アルミホイルやラップでこすると頑固な汚れが落ちやすいです。
トッププレートが傷ついてしまうため、金たわしは使用しないようにしましょう。
また、掃除をするときは必ず電源を切ってから行いましょう。

賃貸物件でIHコンロに変更できる?

賃貸物件でガスコンロを使用している場合でも、IHコンロに変更できることがあります。
ただし、事前に管理会社や大家さんの許可を得ることに加え、電源や契約内容の確認も必要です。

  • 200Vのコンセントが必要
    一般的なIHコンロは200Vの電源を使用します。しかし、賃貸物件では100Vコンセント(家庭用の通常)しかないことが多く、その場合は設置が難しくなります。
  • ブレーカー容量の確認が必要
    IHコンロは消費電力が大きいため、ブレーカーの容量によっては落ちることがあります。
    賃貸物件のアンペアは、30Aや40Aの契約が一般的ですが、IHコンロを導入する場合は50A以上が推奨されることもあります。
  • 管理会社や大家さんの許可が必要
    設備を変更する場合は、必ず大家さんまたは管理会社へ事前に確認しなければなりません。
  • 原状回復の義務
    賃貸物件には、原状回復義務があるため、退去時にはガスコンロへ戻す必要がある場合があります。
  • 卓上IHコンロを導入する選択肢もある
    据え置きタイプの設置が難しい場合でも、コンセントで使える卓上IHコンロなら手軽に導入できます。
    手間や費用がかかることを考えると、選択肢の一つとして検討すると良いでしょう。
    多くの卓上型は一般的な家電と同じ100V対応のため、賃貸でも使いやすいのが特徴です。

    ■IHコンロの種類
    ・ビルトイン…すでにあるシステムキッチンに組み込むタイプ
    ・据え置き(据置)…ガスコンロの代わりに置いて使うタイプ
    ・卓上…ダイニングテーブルなどでも使える持ち運び可能なタイプ
【関連記事】一人暮らしの電気アンペアはどれくらいがベスト?目安と節約術を紹介

IHコンロが向いているのはこんな人

IHコンロは、掃除のしやすさや火を使わない安全性の高さが魅力です。
調理後のトッププレートはサッと拭くだけでお手入れが完了するため、忙しい毎日でもキッチンを清潔に保ちやすくなります。
また、万が一の火の消し忘れやガス漏れの心配がないため、外出時や就寝前も安心です。

一方で、使える調理器具に制限があることや、調理方法に少し工夫が必要といったデメリットもあります。
特に、ガスコンロに慣れている人にとっては、「思っていたのと違う」と感じることもあるかもしれません。

とはいえ、ライフスタイルや住環境によっては、IHコンロのほうがガスコンロよりも快適に使える場合もあります。
IHコンロの特徴をよく理解し、自分の生活スタイルに合っているかをしっかり確認してみましょう。

IHコンロが向いているのはこんな人

・小さなお子さんや高齢者がいる家庭
・火を使うことに不安を感じる人
・お手入れを楽にしたい人
・夏の調理を快適にしたい人
・時短調理をしたい人
・一人暮らしで、安全性や手軽さを重視したい人

IHコンロは火を使わないから安全性が高いのだ!

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