築年数の目安とは?古い賃貸物件の魅力と注意点を解説

賃貸物件を選ぶとき、多くの人が目安とするのが築年数。できるだけ新しい物件を求めて築浅の物件の中から探し始める人も少なくありません。
しかし、「築年数が古い物件」を敬遠するのはもったいないかもしれません。
築年数が古い物件には、実は多くのメリットが隠れています。
もちろんデメリットもありますが、条件次第では大きな魅力を感じられることも。
古い物件の可能性を考えてみましょう。

築年数とは、建物が完成してからどれだけの年数が経過しているかを表しています。
一般的に、築年数が新しいほど建物の状態が良く、最新の設備が付いていると考えることができます。
一方で、築年数が古い物件は、家賃が割安であることも多く、さらにリフォームなどの適切なメンテナンスがされているケースもあります。
物件を選ぶときには、築年数だけでなく、建物の管理状態やリフォームの有無なども合わせて確認することが大切です。
重視するポイントに応じた築年数の目安
物件選びでは、重視するポイントによって築年数の目安が異なります。
「新しくてきれい」という理由だけで新築や築浅物件に絞って選び始める前に、重視したいポイントを検討すると良いでしょう。
以下に、築年数の目安を挙げてみましたので参考にしてください。
・新しい設備の充実さを重視するなら【築10年未満】
・耐震性による安心感を重視するなら【築20年未満】
・家賃の安さによるコストパフォーマンスを重視するなら【築30年~40年】
新しい設備の充実さを重視するなら【築10年未満】

新築・築浅・築10年未満の物件は、最新の設備やトレンドに基づいた設備が整っています。
キッチンや浴室などの水回り設備、オートロックなどといったセキュリティ設備、近年人気の宅配ボックスなど利便性の高い設備は、築10年未満の物件に導入されているケースが多いです。
耐震性による安心感を重視するなら【築20年未満】

日本に住んでいると地震への心配はつきもの。
耐震性を重視する場合は、「新耐震基準」の物件を選びましょう。
建築基準法の改正により、1981年6月1日以降に建築確認を受けた物件は「新耐震性基準」を満たしています。
この「新耐震性基準」とは震度6~7程度の地震でも建物が倒壊しないよう、設計や建築において、必ず満たされなければならない条件を定めています。
また、木造の場合は、2000年6月1日以降に建築確認を受けた「2000年基準」を満たした物件を選ぶと良いでしょう。
この「2000年基準」は木造住宅を対象に、耐震基準がより改正されており、耐震性が上がっています。
2025年時点で25年ほどの物件です。
基準日 | 地震の目安 | |
---|---|---|
旧耐震基準 | 1981年6月1日以前 | 震度5強程度の地震で倒壊しない |
新耐震基準 | 1981年6月1日以降 | 震度6強〜7程度の地震で倒壊しない |
「旧耐震基準」の場合
「旧耐震基準」といわれる1981年6月1日以前の物件の場合は、耐震診断が行われているか、必要に応じて耐震補強が実施されているかも併せて確認すると安心です。
また、1981年前後に建築された物件も注意しましょう。
2025年時点で築40年ほどの物件は、1985年頃に建てられています。
この時期の建物は「新耐震基準」に基づいている可能性が高いですが、実際に新耐震基準を満たしているかどうかは確認しておくと良いでしょう。
※耐震診断とは…旧耐震基準で建てられた建物の耐震性を確認すること
家賃の安さによるコストパフォーマンスを重視するなら【築30年~40年】

築30年~40年の物件は、新築や築浅に比べて、家賃が安い傾向にあります。
敷金や礼金などの初期費用が抑えられるケースもあり、家計への負担を抑えたい方におすすめです。
また、リフォームやリノベーション済みの物件も多く、築年数が古くても、部屋の中は新築のように快適である場合が少なくありません。
築年数が古い物件の見逃せないメリット
築年数が古い物件は、デメリットが先に思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか。
しかし、メリットもたくさんあります。
家賃が安い

築年数が古い物件は、エリアや広さが同じでも、家賃が安いことが多いです。
新築や築浅でなくても、築10年ほどであれば設備も比較的新しく、古さを感じにくいでしょう。
最低限の設備があれば良いという場合は、もっと古い物件で家賃を抑えることができます。
選択肢が豊富

新築や築浅は人気が高いため、競争率も上がります。また、物件数も限られてしまいます。
しかし、築年数が古い物件は、新築などと比べると、物件数や空室が多いため探しやすいです。
立地や設備、広さなど、築年数以外の条件にも目を向けて、自分が重視したいポイントを検討することができます。
新築・築浅 | 新築~築10年 | 新築~築20年 | |
---|---|---|---|
名古屋市ワンルーム・1K | 1,503件 | 3,181件 | 5,691件 |
名古屋市2LDK | 620件 | 776件 | 1,119件 |
※ニッショー.jp調べ(2025年1月時点)
リノベーション済みのきれいな部屋もある

築年数が経過した物件は、リフォームを行って古くなった状態を改修したり、リノベーションによって間取りを変更するなどして、新築のような部屋になっている場合もあります。
部屋はきれいで設備も最新ながら、新築物件よりもお得な家賃の物件に出会えることもあります。
そのため、はじめから築年数の短い物件だけを見て検索してしまうと、このような部屋を見落としてしまう可能性があります。
管理が行き届いている

築年数が古くても、建物や部屋のメンテナンスが適切に行われていれば、快適に生活することができます。
また、管理が行き届いている物件は、トラブル時の連絡がスムーズにできるという面もあり安心して暮らせます。
そのため、物件を選ぶ際には管理会社の対応力や信頼性も重要なポイントとなります。
築年数が古い物件におけるデメリット
築年数が古い物件は、デメリットをしっかりと理解したうえで、部屋探しを進めていくことが大切です。
建物や設備が古い

建物の外観が古く感じたり、設備は最新のものではない場合があります。
例えばキッチンをはじめ、近年主流とされている、シャワー付洗面台(シャンプードレッサー)や、シャワー付トイレ(温水洗浄便座)、追い焚き風呂、浴室乾燥機などが備わっていないことも少なくありません。
どんな設備を必須とするのか、譲れない設備を決めておくと良いでしょう。
地震に対する強度が心配

1950年から1981年5月31日まで適用されていた「旧耐震基準」は、震度5強程度の揺れでも建物が倒壊しないという基準です。
「旧耐震基準」で建てられた建物は、現在の「新耐震基準」を満たしていないため、事前に耐震診断が行われているかを確認することが大切です。
また、必要に応じて耐震改修工事が行われているかも確認すると良いでしょう。
木造建物の場合は、2000年以前に建てられたものは耐震診断をしっかり確認することをおすすめします。
防音性や断熱性に不安がある

新しい物件に比べると、築年数の古い物件は、音の遮断や温度調整の性能が低い場合があります。
そのため、近隣の生活音が聞こえやすかったり、暑さ寒さをより感じてしまうかもしれません。
事前に窓や床に隙間がないか、音が漏れやすくないかを確認しておくと良いでしょう。
また、遮音性の高いカーテンやマットを使用したり、窓に断熱シートを貼るなどの対策をすることで、快適に暮らすことも可能です。
光熱費が高くなるかもしれない

建物の断熱性が低いと、エアコンの効きが悪くなり光熱費が高くなってしまう場合があります。
また、エアコンなど設備が古いままの場合は、省エネ家電ではない可能性があるので、最新家電よりも消費電力がかかってしまいます。
築年数が古い物件から良い物件を見つけるには?

築年数が古い物件の中から良い物件を見つけるためには、以下の注意点を押さえることがおすすめです。
メンテナンス体制が整っているか
賃貸物件の消防設備やエレベーターなどの点検、定期清掃などの衛生管理などメンテナンスの体制がしっかりと整っていることが大切です。
メンテナンスが適切に行われていないと、設備のトラブルが起きたり、清潔感がなくなったり、不具合が起きたときに対応してもらえないなど、快適な生活を維持することが難しくなってしまう場合があります。
そういった物件を簡単に見分けるには、「エントランスやゴミ置き場がきれいであるかどうか」をチェックすると良いでしょう。
水回りに清潔感があるか
水回りは劣化がよく現れる部分です。
水回りやシンク下から嫌な臭いがしないか、水が使える場合はキッチンや風呂の蛇口からきれいな水が出るかを確認すると良いでしょう。
また、ゴムパッキンに根強いカビが残っていないか、チェックしておくのも良いです。
旧耐震基準でも耐震補強が行われているか
耐震性の目安としては、1981年6月1日以降に建てられた建物であるか、木造の場合は2000年6月1日以降に建てられた建物かがポイントです。
それ以前の建物については、耐震診断が実施されているか、必要に応じて耐震補強が行われているかを不動産会社に確認すると安心です。
まとめ
築年数には、重視したいポイントに応じた目安があります。
■目安
・最新設備の充実を重視するなら【築10年未満】
・耐震性を重視するなら【築20年未満】
・割安の家賃を重視するなら【築30年~40年】
しかし、築年数が古い物件にも、新築にはない魅力がたくさんあります。
■メリット
・家賃が安い
・選択肢が多い
・リノベーション済の部屋もある
・適切な管理
一方で築年数の古い物件にはデメリットあるため、しっかりとチェックし理解しておくことが大切です。
■デメリット
・建物や設備の古さ
・耐震性の不安
・防音性や断熱性の低さ
・光熱費が割高になる可能性
より良い物件を見つけるには、内見時にしっかりとチェックすることを怠らないようにしましょう。
■要チェック
・敷地内ゴミ置き場や駐輪場の清潔感
・水回りの劣化
・耐震性の確認
多くの選択肢の中から、譲れない条件やライフスタイルに合った部屋を選べば、新築や築浅に限らず、築年数が古い物件の中からも理想の住まいを見つけることができます。
条件をしっかり確認しながら、自分に合った物件を探してみましょう。
築年数の目安を参考にして部屋探しに役立ててほしいのだ!

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