ウォークインクローゼットとクローゼットは何が違う?特徴と利便性をご紹介

部屋探しをする際、優先順位が高いのは「家賃」「エリア」「間取り」ですが、「収納」もチェックすべき条件ですよね。
そこで今回は、ウォークインクローゼットとクローゼットの違いや特徴、メリット・デメリットなどを解説していきます。
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ウォークインクローゼットとは?
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ウォークインクローゼットのレイアウトの種類
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ウォークインクローゼットの広さの目安
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ウォークインクローゼットのメリットとデメリット
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クローゼットのメリットとデメリット
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ウォークインクローゼットはどんな人におすすめ?
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ウォークインクローゼットの最適な場所とは?
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ウォークインクローゼットを使いやすくするには?
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ウォークインクローゼットが必要かどうか検討しよう!
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よくある質問

ウォークインクローゼットとは、人が中に入って歩くスペースがある収納のこと。
広さは2~4畳ほどのものが多く、収納の空間にはハンガーパイプや棚が備え付けられており、ハンガーに衣類をかけたりカバンなどを収納することができます。ウォークインクローゼットは収納力抜群で、衣類以外の大きなものも収納できますよ。
間取り図では「WIC」と表記されます。
「ウォークスルークローゼット」との違いは?


間取り表記の「WIC」には、「ウォークスルークローゼット」と「ウォークインクローゼット」の2タイプあります。
ウォークスルークローゼットもウォークインクローゼット同様、人が中に入って歩くスペースがある収納のことですが、違いは人が通り抜けできるかどうかという点で、2部屋をまたいで設置されているので、出入り口が2つになります。部屋同士をつなぐ通路としても活用でき、快適な生活同線を手に入れることができます。
「クローゼット」との違いは?


クローゼットとウォークインクローゼットの大きな違いは「広さ」になります。
クローゼットの場合は、収納内に人が歩けるスペースはなく、取り付けられているハンガーパイプに衣類を収納するものとなります。奥行きは衣類の幅に合わせられた寸法で、50cm~60cm程度で、間取り図では「CL」と表記されます。
ウォークインクローゼットのレイアウトの種類
ウォークインクローゼットのレイアウトは、大きく4種類(「I字型」「Ⅱ字型」「コの字型」「L字型」)に分けられます。
では、それぞれ4種類の特徴と収納のコツを解説していきます。

I字型
【I字型】の特徴
片側の壁のみに収納が設けられているタイプ
※ハンガーパイプなどの収納が、壁のどの部分に付いているかは物件によって異なる

片側だけにハンガーパイプや棚が設置されているため、他の型に比べると収納力は高くありません。
収納量を増やすには、収納ボックスやタンスを設置し、限られたスペースを有効活用することが重要となります。比較的コンパクトな構造になるので、整理がしやすかったり、衣類の出し入れがしやすいというメリットがあります。
Ⅱ字型
【Ⅱ字型】の特徴
両側の壁に収納が設けられているタイプ
※両側ともハンガーパイプのタイプとハンガーパイプと棚がそれぞれ両側にあるタイプのものがある

I字型よりもスペースが広いため、収納力が大幅に増えます。
衣類など荷物が多い人や夫婦・兄弟・姉妹で片方ずつ使い分けるのにもおすすめです。
また、片方にコートやワンピースなどの丈の長い衣類を掛けて、もう片方にはセーターや小物を収納するボックスを設置するのもいいかもしれません。左右で収納するものを分けると見栄えも良く、整理整頓もしやすくなります。
入って正面の壁面には小さな棚を設置したり姿見を置くなどすれば、スペースを無駄なく使うことができます。
コの字型
【コの字型】の特徴
左右と奥の壁に収納が設けられているタイプ

4種類の型の中でもっとも収納力のあるタイプになります。
Ⅱ字型は奥の壁部分に何を置くか考える必要がありますが、コの字型なら収納が設置されているため、壁面を無駄なく活用できます。
ただし、コの字の角に当たる部分にデッドスペースができてしまうので、普段使わないものや季節ものなどを収納するのがおすすめ。
三方向の収納スペースそれぞれに変化をつけると、効率よく収納することができます。
L字型
【L字型】の特徴
奥と片側の壁に収納が設けられているタイプ

L字型は、I字型よりも収納力は高いですが、コの字型同様、収納場所が重なる角の部分がデッドスペースになりがちなので、収納ボックスやタンスを置く場合は、大きさをしっかり計ってから購入するようにしましょう。
デッドスペースである角の重なる部分は、どうしても衣類を掛けられないスペースができてしまうため、工夫が必要となります。
例えば、片方には普段あまり使わないものを収納したり、吊るす収納をうまく設置するなどし、できる限り有効活用できる空間を作るようにしましょう。
ウォークインクローゼットの広さの目安
ウォークインクローゼットの広さの目安は、収納する荷物の量やどのように使うかによって適切な広さは変わってきますが、一般的に「住む人の人数×畳数」といわれています。
ウォークインクローゼットの広さの目安は2~4畳
畳数によって収納できる衣類の目安は下記の通りです。畳数と収納量を参考に、どのくらいの広さがいいのか検討しましょう。
また、畳数別に住む人の人数や収納方法を解説します。
畳数 | 収納量 |
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2畳 | 約150~200着 |
3畳 | 約250~300着 |
4畳 | 約400着 |
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- 【2畳】夫婦2人分
- 夫婦2人で利用する場合、2畳のウォークインクローゼットはちょうどいい広さです。
夫婦それぞれの荷物を区切って収納すれば、管理がしやすくなります。
2畳分のスペースだと、ウォークインクローゼット内で着替えるのは厳しいですが、2人分の衣類なら無理なく収納できるでしょう。
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- 【3畳】夫婦2人+子ども1~2人
- 子どもが小さいうちは衣類などの量も大人の半分くらいと考えられるため、夫婦2人+子ども1~2人であれば3畳分のスペースがあれば収納可能。
子どもが1人の場合は、収納スペースに余裕ができますので、おもちゃやスーツケースの保管もできるようになります。
また、夫婦2人でたくさん収納するものがある場合、3畳あると十分余裕がある広さだといえるでしょう。
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- 【4畳】家族4人以上
- 4人家族でもかなり余裕があるサイズになります。
収納スペースが広いため、子どもが大きくなって荷物が増えても困ることはないでしょう。衣類以外の大きい物でも収納可能となり、さまざまなものを収納することができます。
ただし、広いからといって荷物を溜め込まないように注意が必要。
いつでも整理された状態を保つことで使い勝手が良くなります。
ウォークインクローゼットのメリットとデメリット
部屋探しの際、ウォークインクローゼットが必要かどうか悩む人も少なくないのでは?
ウォークインクローゼットのメリットとデメリットの両面を理解した上で検討しましょう。
メリット
・収納スペースが広い
・スーツケースなどの大きいものも収納できる
・衣替えをする必要がない
・来客時に収納スペースを隠すことができる
・出掛けるときに準備がしやすい
収納スペースが広い

ウォークインクローゼットの最大のメリットは高い収納力です。
収納スペースが広いため、衣類だけでなくカバンや靴、アクセサリーなどの小物も収納できます。
スーツケースなどの大きいものも収納できる

ウォークインクローゼットの広さにもよりますが、普段使わないスーツケースやゴルフバッグなどの大きいものも収納できます。
また、扇風機やファンヒーターなどの季節家電も保管可能となります。
衣替えをする必要がない

ウォークインクローゼットは、季節ごとの衣類をまとめて収納できるので、季節の変わり目の衣替えが不要。衣替えにかかる時間や手間を省くことができます。
また、急な気温の変化で必要になった場合の身支度もスムーズに行うことができます。
来客時に収納スペースを隠すことができる

ウォークインクローゼットの扉を閉めれば、来客時に収納スペースを隠すことができます。
また、リビングが散らかっていたとしても、荷物をとりあえずウォークインクローゼット内に収納してしまえば、お客様の目に入ることもないので、慌てず対応ができます。
ただし、扉のないパターンもありますので注意しましょう。
出掛けるときに準備がしやすい

衣類やカバンなど、色々なものを収納できるため、出掛けるときの準備がしやすいというメリットがあります。
また、着るものに悩んだ際もウォークインクローゼット内を一目で確認できるため、すぐにその場で着替えることができます。
デメリット
・居住スペースが狭くなる
・定期的に掃除をしなければならない
・整理しないと物が溢れてしまう
居住スペースが狭くなる

ウォークインクローゼットは、クローゼットよりもスペースを多く取るため、同じ平米数でもウォークインクローゼットがある部屋の方が狭く感じるかもしれません。
「衣類が多いので、収納は広い方がいい」という人はウォークインクローゼットが必要になると思いますが、「そこまで荷物も多くないので、広い収納は必要がない」という人にとっては、クローゼットでも十分だと思います。
定期的に掃除をしなければならない

ウォークインクローゼット内部には、ほこりや衣類から出た糸くずなどが溜まりやすいため、定期的に掃除をする必要があります。
また、ウォークインクローゼットには窓や換気扇が付いていない場合がほとんどです。そのため、湿気防止対策も必要になります。
整理しないと物が溢れてしまう

たくさん収納ができるウォークインクローゼットは、適当に詰め込んでしまうとモノが溢れてゴチャゴチャになってしまいます。
探しているものがどこにあるか分からなくなってしまい、逆に使いにくくなることもあります。
収納するときは定位置を決め、不要なものは捨てるようにして、きちんと整理しましょう。
クローゼットのメリットとデメリット
クローゼットのメリットとデメリットも理解し、ウォークインクローゼットとどちらが自分の生活に合っているのか検討してみてください。
メリット
・居住スペースを広く使うことができる
・必要なものをすぐに取り出せる
・モノを必要以上に持たなくなる
クローゼットは、収納スペースは狭いですが、奥行きが浅い分、居住スペースを広く確保できます。
また、ハンガーパイプにかけられた衣類を一目で確認することができるので、探しているものが見つけやすく、必要なものもすぐに取り出すことができます。
他にも、収納できる広さが限られているため、「モノを必要以上に持たなくなる」という習慣が身に付くこともあるようです。
デメリット
・収納できるスペースが狭い
・大きいものは収納できない
・洗濯後の衣類の片づけや衣替えの手間がかかる
クローゼットのデメリットは、やはり収納できるスペースが狭いこと。
スーツケースや扇風機などを収納してしまうと、一気に狭くなるため、衣類以外の大きいものは収納に向きません。
また、洗濯後の衣類の片づけや衣替えの手間がかかるデメリットもあります。
ウォークインクローゼットはどんな人におすすめ?
ウォークインクローゼットが必要かどうかは、生活スタイルや入居人数によって異なります。
では、どのような人に向いているのか。ウォークインクローゼットはどんな人におすすめかを紹介していきます。
ウォークインクローゼットがおすすめな人
・荷物が多い人
・収納する場所を1箇所にまとめたい人
・入居人数が2人以上
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- 荷物が多い人
- 衣類や大きい荷物が多い人は、ウォークインクローゼットがおすすめ。
多くの衣類をハンガーに掛けて保管できますし、収納ボックスを活用することで、色々な荷物が収納可能となります。
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- 収納する場所を1箇所にまとめたい人
- 家族の衣類などを各部屋に収納するよりも、1箇所にまとめた方が洗濯後の片付けの手間が省けるため、ウォークインクローゼットがあると便利。
また、小さいお子さんがいるご家庭にもおすすめで、お子さんの着替えと自分自身の準備が同時にできるというメリットも。
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- 入居人数が2人以上
- 1人分ならクローゼットで十分ですが、2人以上で暮らしている場合は、人数分の衣類などを整理して保管できるため、ウォークインクローゼットがあると便利です。
ウォークインクローゼットの最適な場所とは?
ウォークインクローゼットの最適な場所
・寝室
・廊下
・洗面所の近く
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- 寝室
- ウォークインクローゼットがあると便利なのは寝室。
寝室に設置されていれば、就寝前や起床後に移動しなくてもそのまま着替えることができます。
また、来客があっても、収納スペースを見られることもないので安心です。
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- 廊下
- 廊下に設置されていると、帰宅してすぐに着替えることができます。
また、他の部屋に寄らずにコートや荷物も収納可能となります。
ただし、来客時にウォークインクローゼット内が見えてしまうため、廊下にある場合は扉があるといいでしょう。
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- 洗面所の近く
- 洗面所の近くにウォークインクローゼットがあると、洗顔やメイク後に身支度することも多いため、配置場所としては最適。
ただし、水廻りは湿気が溜まりやすいので、対策が必要です。
子ども部屋の収納はクローゼットで十分

子どもの衣類は大人ほど多くはないため、子ども部屋にはクローゼットがあれば十分でしょう。
ウォークインクローゼットだと収納力が高いので、逆に物をどんどん詰め込んでしまう可能性もあります。
ウォークインクローゼットとクローゼット、どちらにもそれぞれ特徴がありますが、生活スタイル合った形で設置されていると暮らしが便利になります。
ウォークインクローゼットを使いやすくするには?
ウォークインクローゼットは、常に使いやすい状態にしておくことが大切です。上手に収納する方法と空間をすっきりと見せるコツをご紹介します。
- 定位置を決める
- 手前と奥を使い分ける
- 詰め込みすぎない
- 動線を確保する
1.定位置を決める
「よく使うものは手の届きやすい場所」、「使用頻度が低いものは上部の棚」など、使用頻度に応じて収納の定位置を決めることで使い勝手が向上します。また、どこに何があるかも把握しやすくなります。
まずは、3つの場所に分類して収納してみましょう。
・上:枕棚【使用頻度の低いもの】
・中:ハンガーパイプ【使用頻度の高いもの、畳みジワを付けたくないもの】
・下:収納ボックス【使用頻度が高く、畳んで収納できるもの】
上:枕棚【使用頻度の低いもの】
小物類は上部の棚にまとめて収納。
また、出し入れがしにくい場所となるため、シーズンオフの衣類や布団などを収納するのもおすすめ。
フタ付きのボックスに入れておけば、ホコリをかぶることなく収納できます。
収納するもの
・カバン
・帽子
・紙袋
・シーズンオフのもの など
中:ハンガーパイプ【使用頻度の高いもの、畳みジワを付けたくないもの】
使用頻度が高いものや畳みジワを付けたくないものは、掛ける収納が向いています。
衣類の長さを揃えることで、下のスペースを活用しやすくなります。
また、衣類の種類を分けたりカラー別にしたりすることで見栄えも良くなります。
収納するもの
・普段着る服
・コート
・ジャケット
・ワンピース
・スカート
・パンツ
・ブラウス
・セレモニー用の服 など
下:収納ボックス【使用頻度が高く、畳んで収納できるもの】
収納ボックスは、スペースに適したサイズや段数を設置できるため、収納するものによって選ぶことができます。
収納するもの
・セーター
・部屋着
・下着
・靴下
・ハンカチ など
2.手前と奥を使い分ける
一年を通して吊るしておく衣類については、シーズンものは手前、シーズンオフのものは奥に収納することで使い勝手が良くなります。
また、定期的に入れ替えることで、所有している衣類を把握したり、不要なものを処分するきっかけにもなります。
3.詰め込みすぎない
ウォークインクローゼット内を整頓された状態に保つには、収納量を7~8割くらいに留めることが重要。
スペースに余裕をもたせることで、よりウォークインクローゼットが使いやすくなります。
また、衣類が傷んでしまわないように、風通しを良くしておくことも大切です。
4.動線を確保する
収納ボックスやタンスを設置する場合、衣類を取り出すときのスペースを確保するようにしましょう。
ある程度の広さがないと、引き出しを開けた際に通路が塞がってしまうため、使い勝手が悪くなります。
引き出しを開けるスペースがない場合は、扉のない収納棚を選ぶようにしましょう。
ウォークインクローゼットが必要かどうか検討しよう!

ウォークインクローゼットがあれば、収納家具を買う必要がなく、たくさんの荷物を収納することができます。
しかし、収納スペースが広いため、きちんと管理しないと使い勝手も悪くなります。
自分の生活スタイルや持ち物を考慮して、ウォークインクローゼットが必要かどうかを事前によく検討しましょう。
ウォークインクローゼットがあると、たくさん収納できるのだ!

よくある質問
ウォークインクローゼットにハンガーパイプがあるので、収納ボックスやタンスはなくてもいい?
- 収納ボックスやタンスは、あったほうが便利です。
畳んで収納できるセーターや部屋着、他にも下着や靴下、ハンカチなどの細かい物は引き出しにしまった方が上手に収納できます。
ただし、収納ボックスやタンスを設置する場合は、大きさをしっかり計ってから購入するようにしましょう。
ウォークインクローゼット付のお部屋だと、居住スペースが狭くなってしまいますか?
- ウォークインクローゼット付だと、クローゼットよりもスペースを多く取るため、居住スペースが狭くなってしまいます。
そこまで荷物が多くない方は、クローゼットがあれば十分だと思います。
夫婦2人でウォークインクローゼット2畳は狭いですか?
- 夫婦2人で利用するならちょうどいい広さだと思います。
大きな荷物を収納してしまうと狭くなってしまいますが、衣類なら無理なく収納できるでしょう。
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- ウォークインクローゼットとクローゼットは何が違う?特徴と利便性をご紹介






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