サービスルームは「普通の部屋」や「納戸」と違う?使い方から注意点までご紹介!

この記事では、サービスルームとはどんな部屋か、普通の部屋や納戸との違い、メリット・デメリット、サービスルームの上手な活用方法までご紹介します。

サービスルームとは「居室」とみなされない部屋

サービスルームとは、建築基準法における「居室」とはみなされない部屋のことを指します。

「居室」とは建築基準法で「居住、作業、娯楽などの目的のために継続的に使用する室」と定められています。

居室扱いするためには必要な条件がいくつかあり、継続的な使用を想定していることから「採光のための窓の大きさが床面積の1/7以上」設けてあるか、また、「天井や床の高さが一定以上あるか」などが設けられています。

サービスルームはそういった居室の条件に当てはまらなかった部屋ということで、居室とはみなされないのです。

~「居室」と「居室でないもの」の例~

居室 居室ではない
・洋室
・和室
・こども部屋
・寝室
・キッチン
・リビング
・ダイニング など
・サービスルーム
・納戸
・書斎
・収納
・ロフト
・玄関
・廊下
・トイレ
・洗面所
・浴室 など

上記の表は、参考までに「居室」と「居室でないもの」の例をまとめたものです。
継続的に使用する場所は居室、一時的に使用する場所は居室扱いをしていないことがわかります。

●サービスルームの由来

建築基準法には、「居室」に対する定義はありますが、「サービスルーム」という表記は実はありません。
そこで不動産業界では、この「居室」とは呼べない部屋のことをいわゆる「サービスルーム」と呼んでいる、ということです。
ちなみにサービスルームの「サービス」というのは、「準備室」の意味を持っており、短時間の作業や収納スペースとして使われる想定をされています。

●サービスルームに広さの上限はない

サービスルームは、広さに上限がありません。
そのため、リビングに併設された3帖程度のサービスルームや、一見すると普通の部屋と変わらないように見える6帖以上あるようなサービスルームなどもあります。

●サービスルームは間取り図で「S」と表記される

間取り図では、サービスルームはそのまま「サービスルーム」と文字で表記されていたり、「S」と表記されていたりします。
間取り表記が「1SLDK」や「1LDK+S」となっている場合、この「S」というのが「サービスルーム」のことです。

サービスルームと「普通の部屋」の違い

サービスルームと普通の部屋との違いは、前述のとおり「居室」か「居室でないか」です。

普通の部屋がいわゆる「居室」であるのに対して、サービスルームは居室ではありません。

具体的に異なる点としては、サービスルームは長時間の使用を想定していないため、本来居室にあるはずの設備が設けられない場合があります。

テレビや電話回線、エアコンといった空調設備がこれに当たりますが、専用のコンセントや端子がないと設置できません。

しかし、設計段階で居室につけるような設備を設けていると、行政指導を受けることがあるのです。

そのため、たとえある程度の広さがあっても、サービスルームは普通の部屋と同じように快適に過ごせない可能性があるので注意が必要です。

サービスルームと「納戸」「書斎」の違い

サービスルームと「納戸」「書斎」は呼び方が違うだけで、基本的に同じものと考えて問題ありません。

3つとも「居室」ではないという共通点があり、その用途を連想させるような呼称をしています。

それぞれの広さや目的によってどのように使うかは、部屋主の自由となります。

用途のイメージの違い

「サービスルーム」は使い方が最も多岐にわたるイメージです。
普通の部屋と変わらない広さのものも多く、収納として使ったり、趣味の部屋にしたりと、色んな使い道があるでしょう。

「納戸」は、築年数が古い物件において物置に使うイメージが強く、物入や押入と同じくらいの小規模スペースの場合も多いです。

「書斎」は、リビングや寝室の一角にある小規模のスペースが多いイメージですが、中には、独立した部屋になっている間取りもあります。

サービスルーム ・3つの中では一番広めで、使い方も様々
・洋風の部屋に使われる傾向がある
納戸 ・物入や押入と同じ小規模サイズが多い
・和風の部屋に使われる傾向がある
書斎 ・リビングや寝室の一角に設けられた小規模スペース
・独立したタイプもある

また、近年では、洋風のお部屋ならサービスルーム、和風のお部屋なら納戸と表記される傾向もあります。
いずれにせよ、はっきりとした定義はなく、設計業者や不動産サイトによっても表現が異なります。

ちなみに、間取りに「N」とあったら「納戸」のことです。
サービスルームと納戸は同じ意味なので、わざわざ「N」を使わずに、間取りの「S」にサービスルームと納戸を含んでいるサイトも多いです。

サービスルームのメリット

サービスルームにはどのようなメリットがあるでしょうか。
ここでは4つのメリットを挙げています。

メリット

1.収納力がある
2.用途がたくさんある
3.日光の影響を受けない
4.部屋数が同じ間取りと比べると家賃が安い

  • 1.収納力がある
    クローゼットや物入よりも広く活用できるサービスルームは、とにかく収納として使うのにぴったりです。
    季節ものの家電を置いたり、服をお店のようにディスプレイしてみたり、少し余裕を持った収納ができそうです。
  • 2.用途がたくさんある
    収納以外にも、使い道がたくさんあるのがサービスルーム。
    下の方でも詳しく述べますが、書斎や子どもの遊び場、趣味の部屋やゲストルームなど、いろんな活用方法があります。
  • 3.日光の影響を受けない
    日当たりが悪いことをメリットとして活用することもできます。
    例えば、日焼けさせたくない本やお気に入りの家具などを置きたい場合には、サービスルームは最適です。
  • 4.部屋数が同じ間取りと比べると家賃が安い
    例として、LDKの他に3室あるうちの1つがサービスルームの場合には、「2LDK+S」という表記になり、普通の「3LDK」より一部屋少なく表示されます。
    その分、専有面積・部屋数が同じであっても、「3LDK」より価格が低く抑えられることが多いです。

サービスルームのデメリット

サービスルームにはメリットだけでなく、デメリットもあります。
ここでは3つのデメリットを挙げています。

デメリット

1.エアコンやテレビなどが使えないことも
2.日当たりが悪くて部屋が暗い
3.換気が十分でなく、湿気がたまる

  • 1.エアコンやテレビなどが使えないことも
    サービスルームは居室ではないため、居室と同じ設備(エアコンやテレビなど)が設置できない場合があります。
    元々、専用のコンセントやダクトが用意されていないため、いざ普通の部屋と同じように使おう!となった時に、快適に使用できないことがあることを覚えておきましょう。
  • 2.日当たりが悪くて部屋が暗い
    日当たりの悪さは、メリットにも成りうる条件ですが、やはり普通の部屋と同じように使いたい場合は、お部屋の暗さが気になる場合もあるでしょう。
    どのくらい光が入るかは、その部屋ごとに異なりますので事前にチェックしておくと良いでしょう。
  • 3.換気が十分でなく、湿気がたまる
    日当たりの悪さと同様、換気条件が良くないのもサービスルームのデメリットです。
    湿気がたまりやすく、その影響を受けそうな物を置きたい場合や、人が長時間居ることで体調に影響がでる可能性もあるので、除湿器を使うなどの対策が必要です。

サービスルームの使い道!どんな活用方法がある?

サービスルームは「居室」ではないものの、どう使うかはその人の自由です。ここでは、「収納」以外の使い方を紹介します。

1.家事室として使う
2.子どもの遊び場にする
3.シアタールームや書斎など趣味部屋にする
4.来客用の宿泊スペースにする
5.仕事用スペースとして使う

1.家事室として使う

洗濯物をたたんだり、ちょっとした室内干しや、アイロンがけなど、一時的な家事をするスペースとして使用することができます。

2.子どもの遊び場にする

リビングの一角にあるようなサービスルームなら、キッチンからも子どもの様子を見られる遊び場スペースとして活用できそうです。
急な来客があった場合も、さっと扉を閉めれば片づけなくて済みます

3.シアタールームや書斎など趣味部屋にする

暗さを活かした趣味の部屋であれば、例えばシアタールームにしたり、お気に入りの本を置いて書斎にしたり、コレクションを並べた部屋にしたりすると、暗くても問題なく、日焼けの心配もなくて良いですね。

4.来客用の宿泊スペースにする

今すぐにサービスルームとしての使い道がないという場合や、元々来客が多いという方には、宿泊時に使ってもらうゲストルームとして使用するのも良いでしょう。
寝るだけならそんなに広い必要もないので、十分活用できそうです。

5.仕事用スペースとして使う

ちょっとしたお仕事スペースとしても使えそうです。
ただし、在宅勤務の場合だと、一日6,7時間以上ずっと同じ部屋に居るには適さない場合もあるので注意が必要です。

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サービスルームを使う際の注意点

サービスルームは自由に使えますが「居室」ではないことから注意点もあります。

1.サービスルームを「部屋」として使う場合

サービスルームは採光が十分でなく、普通の部屋と比べて暗い場合があります。
またエアコンなどの空調設備を設置できず、温度管理ができないことも。暗く、適温でない部屋に長時間居ることで体調を崩さないよう、あらかじめ時間を決めておくなどして、使用しましょう。

2.サービスルームを「収納」として使う場合

ある程度広さがあるが故に、とにかく空いているスペースに物を置いていってしまい、気づいたら溢れ返ってしまう可能性も…。
収納ボックスや、つっぱり棒などを駆使して、整理整頓をしながら収納するようにしましょう。
また、換気が十分できない場合、服にカビが生えないよう、除湿器や除湿シートなどで湿気対策をしましょう。


サービスルームを上手く活用するのだ!

よくある質問

サービスルームの広さは決まってるの?

サービスルームに広さの上限はありません。6帖以上あるようなサービスルームであれば、一見、普通の部屋と変わらないように見えることもあります。
「居室」扱いをしていない理由としては、窓の有無、採光基準などを満たしていないことが考えられます。

サービスルームにエアコンの取り付けは可能?

サービスルームは居室として扱わないことから、壁付けエアコンの設置環境が整っておらず、取付できない場合があります。

サービスルームを子ども部屋として使ってもいい?

サービスルームの用途は使用者の自由のため、子ども部屋として使うことはできます。ただし、普通の部屋と同じように過ごせるかどうかはその部屋ごとに違うため、注意が必要です。例えば、エアコンが設置できなかったり、採光が十分でなく部屋が暗かったりする場合があります。

サービスルームを寝室として使う場合、体への悪影響はない?

サービスルームは「居室ではない」=「長時間過ごすのに適さない」ということですから、その部屋の条件を事前に確認すると良いでしょう。採光や天井高が不十分なため部屋が暗いとか、エアコンが設置できなくて夏は暑く冬は寒いなど、寝室に適さない場合があります。

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NARUHODO FUMU FUMU

愛知・岐阜・三重で50年以上、地域密着の直営主義でお部屋探しを提供している不動産会社【ニッショー】が運営するWebマガジン。
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