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家賃値上げの相場とは?上げ幅の目安と適正額の決め方を解説

近年は物価上昇や修繕費の高騰などを背景に、契約更新のタイミングや入居者が入れ替わるタイミングで家賃の値上げを検討するオーナーが増えています。
しかし、「どのくらいの金額までなら値上げできるのか」「周辺相場より高くして空室にならないか」と悩む方も多いのではないでしょうか。
家賃値上げで重要なのは、単純に収益を増やすことではなく、市場相場に合った適正な賃料を設定することです。
この記事では、家賃値上げの相場や上げ幅の目安、相場の調べ方、適正額の決め方について解説します。

家賃値上げの相場はどれくらい?

家賃値上げに一律の相場はありませんが、実際には数%程度、金額では数千円単位で調整されるケースが多く見られます。
ただし、適正な上げ幅は立地や築年数、周辺の賃貸需要などによって異なるため、物件ごとの判断が必要です。

平均的な上昇幅の目安(%ベース)

家賃値上げの上げ幅は、現在の家賃に対する割合(%)で考えるとイメージしやすくなります。

現在の家賃 3%値上げ 5%値上げ
5万円 51,500円
(+1,500円)
52,500円
(+2,500円)
7万円 72,100円
(+2,100円)
73,500円
(+3,500円)
10万円 103,000円
(+3,000円)
105,000円
(+5,000円)

例えば家賃7万円の物件であれば、5%値上げすると月額3,500円、年間では4万2,000円の増収になります。

値上げ幅の決まり方の基本

家賃の値上げ幅は、主に次のような要素によって決まります。

  • 周辺の募集相場
  • 物件の築年数や設備
  • エリアの需要状況
  • 現在の家賃水準
  • 空室リスク

重要なのは、「いくら上げたいか」ではなく、「周辺相場の中で受け入れられる家賃はいくらか」という視点です。

値上げ幅を検討する際は、周辺相場との差額や物件の競争力を踏まえて判断することが重要です。
相場を大きく上回る値上げは、入居者が退去するリスクや長期空室になるリスクにつながる可能性があるため慎重に検討しましょう。

家賃値上げを検討するオーナーが増えている理由

家賃値上げを検討する背景には、物価上昇や維持管理コストの増加などがあります。
ここでは、家賃見直しの判断材料となる市場環境の変化について確認しておきましょう。

■物価上昇の影響

近年は光熱費や人件費をはじめ、さまざまなコストが上昇しています。
こうした物価上昇は不動産経営にも影響を与えており、管理費や維持費の増加に伴って賃料相場が上昇するケースがあります。
特に近年は全国的に賃料上昇の動きが見られており、家賃見直しを検討するオーナーも増えています。

■固定資産税・修繕費の増加

不動産を所有していると、固定資産税や建物維持費などのコストが発生します。
また、築年数が経過すると、外壁修繕、屋上防水、給排水設備の更新、共用部設備の交換などの費用も必要になります。
こうした維持管理コストの増加は、家賃見直しを検討する理由の一つです。

■不動産価格の上昇

土地価格や建築費が上昇すると、新築物件の賃料も上がる傾向があります。
その結果、新築と既存物件の家賃差を調整する形で、周辺の賃料相場が押し上げられることがあります。
特に再開発が進むエリアでは、こうした動きが見られやすくなります。

■エリアごとの需給バランス

家賃相場に最も大きな影響を与えるのが需給バランスです。
賃貸需要が高いエリアでは家賃を上げやすく、供給が多いエリアでは値上げが難しくなります。
そのため、家賃値上げを検討する際は、自身の物件があるエリアの募集状況を確認することが重要です。

家賃を値上げしやすい物件の特徴

家賃値上げのしやすさは、物件ごとの条件によって大きく異なります。
立地や築年数、間取りなどによって賃貸需要は変わるため、自身の物件が値上げしやすい条件に当てはまるかを確認してみましょう。

都市部にある物件

名古屋市の場合、名古屋駅周辺や栄エリアなどは単身者需要が安定しており、比較的値上げしやすいエリアです。
特に駅徒歩10分以内の物件や築浅物件は競争力が高く、小幅な家賃調整であれば受け入れられるケースもあります。
ただし、競合物件も多いため、周辺相場を超える値上げは慎重に判断する必要があります。

築浅・設備が充実している物件

築浅物件は市場相場との連動性が高く、比較的家賃の見直しがしやすい傾向があります。
また、宅配ボックスや無料インターネットなど、入居者ニーズの高い設備が整っている物件も競争力を維持しやすくなります。
築年数だけでなく、設備の充実度やリフォーム履歴も判断材料になります。

需要が安定している物件

駅近や生活利便性が高いエリアなど、入居ニーズが安定している条件の物件は、比較的家賃を見直しやすい傾向があります。
こうした物件は空室リスクが低く、多少の賃料調整であれば入居者に受け入れられやすいのが特徴です。
また、周辺にスーパーや交通機関などの生活インフラが整っている場合は、長期入居につながりやすく、賃料の安定性も高くなります。

家賃値上げの相場を調べる方法

家賃値上げを検討する際は、現在の相場を把握することが大切です。
感覚だけで判断すると、相場より高く設定して空室リスクを高めたり、逆に本来上げられるはずの家賃を据え置いてしまったりする可能性があります。

不動産サイトで家賃を確認する

不動産サイトを活用して周辺物件の募集状況を確認しましょう。調べる際は、以下の条件が近い物件を比較対象にします。

・最寄り駅
・駅からの徒歩分数
・間取り
・専有面積
・築年数
・設備

条件が大きく異なる物件を比較すると、正確な相場を把握できません。
できるだけ類似した物件を複数確認することがポイントです。

類似物件と比較する

家賃相場を調べる際は、築年数や間取り、立地条件が近い類似物件と比較することが重要です。
平均値だけを見るのではなく、自分の物件が市場のどの位置にいるのかを把握しましょう。

例えば、周辺の類似物件が6万5,000円前後で募集されている中、自身の物件が6万円であれば、5,000円程度の差があります。
ただし、その差額をそのまま値上げできるとは限りません。設備や築年数、入居状況などによって適正な上げ幅は変わるため、総合的に判断することが大切です。

管理会社に確認する

最も実務的な方法は、管理会社に相談することです。
管理会社は募集状況や成約事例を把握しているため、ポータルサイトだけでは見えない市場の動向を確認できます。

例えば、「現在募集した場合の適正家賃」「周辺物件との比較」「反響が取れる上限ライン」などについて相談できるため、自身で相場を調べる場合よりも実態に近い判断がしやすくなります。

家賃値上げの適正額を判断する3つのポイント

家賃値上げで重要なのは、「平均的な上げ幅」ではなく、自身の物件にとっての適正額を見極めることです。
周辺相場や物件の競争力を踏まえながら、無理のない範囲で設定しましょう。

①現在の募集相場との差を把握しておく

適正な値上げ額を判断するためには、現在の家賃と募集相場との差を確認しましょう。
例えば、周辺の募集相場と比べて現在の家賃が5,000円ほど低い場合は、一定の値上げ余地があると考えられます。
一方で、募集相場との差が1,000円程度しかない場合は、大幅な値上げは難しいでしょう。
現在の家賃が市場相場と比べてどの程度離れているのかを把握することが、適正額を判断する第一歩です。

②「上げすぎライン」を意識する

家賃を上げれば収益は増えますが、上げすぎると空室リスクが高まります。
例えば、家賃6万円の物件を3,000円値上げすると、年間では3万6,000円の増収になります。
しかし、値上げによって空室期間が1か月伸びれば、6万円の家賃収入を失うことになります。
そのため実務では、「いくらまで上げられるか」ではなく、「どこまでなら反響を維持できるか」という視点で判断することが重要です。

③長期入居者とのバランスを考える

長期間入居している入居者がいる場合は、値上げによる増収だけでなく、退去リスクも考慮する必要があります。
入居者が退去すると、「原状回復費用」「募集費用」「空室期間の損失」などが発生する可能性があります。
そのため、現在の収益状況や入居年数も踏まえながら、バランスよく判断することが大切です。

家賃値上げが難しくなるケース

家賃相場が上昇しているからといって、すべての物件で値上げできるわけではありません。
例えば、すでに周辺相場の上限に近い家賃で貸し出している場合は、追加の値上げ余地が少ない可能性があります。

また、競合物件が多いエリアでは家賃差が入居者の判断材料になりやすく、相場以上の値上げは空室リスクにつながることもあります。

さらに、築年数が古く需要が低い物件では、家賃よりも設備や建物の状態が重視される傾向があるため、値上げよりも設備更新や空室対策を優先した方がよいケースもあります。

家賃値上げを進める際は、相場だけでなく契約条件や手続きにも注意が必要です。
詳しくは下記の記事で解説しています。

家賃値上げの正当な理由とは?オーナー向けに進め方や注意点を解説

まとめ

家賃値上げの適正額は、周辺相場や物件の競争力によって変わるため、一律の基準で決めることはできません。
不動産サイトや管理会社を活用して募集相場を把握し、自身の物件とのギャップを確認することが大切です。
無理な値上げは空室リスクにつながる可能性があるため、「いくら上げられるか」ではなく「市場に受け入れられる金額はいくらか」という視点で判断することが大切です。

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