コンセプト

⊗ヤバかっこいい監獄をイメージ。

 たいていの名古屋人なら「水主町」という地名を迷わず「かこまち」と読めるはず。難読地名で有名な中村区の水主町だが、今回の物件はその水主町交差点の北東にある。個性的な外観が特徴の「BIANCASA水主町」は、地下鉄鶴舞線「大須観音」駅徒歩9分の物件。6帖の洋室を持つワンルームなのだが、もちろんただのワンルームじゃない。部屋のコンセプトはなんと「監獄」!

 監獄と聞いて思い浮かべるのは、エルヴィス・プレスリーの『監獄ロック(Jailhouse Rock)』だろうか? それとも映画『アルカトラズからの脱出』? 海外ドラマ『プリズン・ブレイク』なんてのもあった。しかし、これらのイメージに共通するのは、日本の刑務所や牢屋のようなジメッとしていて、陰湿な感じではなく、監獄なのになぜか「かっこよさ」があること。この“ヤバかっこよさ”をめざしたのが、この「プリズン・ハウス」である。

⊗必須アイテムはスプーン!?

 実際にこの部屋をつくろうと思ったきっかけをヴィレッジヴァンガードの担当者に聞いてみると「洋画を見ているといろんな監獄が出てきますよね。でも、観ていてそんなに住みづらくなさそうだし、アイテム次第でもしかしたらかっこよくなるかも? と思ったんですよ」とのコメント。担当者も海外の監獄のかっこよさに気付き、何とかそれを形にしたいと思っていたようだ。

 部屋を見てみると、監獄をイメージしながらもなかなかスタイリッシュにデザインされている。鉄製階段の踏板などに用いられるチェッカープレート(縞板)を床面に敷き、天井にはアミ戸棚、収納のドアには鉄格子が付けられている。ハードボイルドなイメージはバッチリだ。このようにベースがしっかりしているので、あとはシンプルな鉄製のパイプベッドを置くくらいに留めたい。あ、小物として壁を掘り進むためのスプーンを部屋の片隅に置き、窓ぎわにはコップに挿した一輪の花なんかがあると、実は心優しいアメリカのアウトローな雰囲気が演出できるぞ(笑)。

⊗『監獄ロック』で盛り上がれ!

 この部屋はマンションの外観も個性的だし、部屋の中も個性的なので「人と同じような部屋には住みたくない!」というこだわりを持った人に住んでもらいたい。ヴィレッジヴァンガードの担当者は「吸ったタバコを舌で消すような荒くれ者に住んでもらいたい」と言っているが、そんな人はさすがにいないので(笑)、脱獄系映画を観て「監獄もなかなかかっこいいな」と思ったことがある人は、大いに住む資格アリ! このスタイリッシュな監獄のイメージをベースにして、あなたなりの「プリズン・ハウス」を創造していってほしい。最後に担当者からのアツいメッセージも追記しておく。「正直、私が住みたいのですが、今回はあなたにお譲りします。アメリカンなアイテムでかっこいい部屋に仕上がったあかつきには、エルヴィス・プレスリーを流して、友だちと夜ごとダンスを踊ってください!」。