コンセプト

とにかく立地がいい!

まぁ、とにかく立地がいいこと! 今回紹介する部屋は、地下鉄鶴舞線「御器所」駅徒歩1分にある駅近物件。交通量の多い環状線からちょっと奥まった場所にあるから、それなりに静かなのもいい。周辺には飲食店、コンビニ、ドラッグストア、銀行など快適に生活するために必要な施設はおおよそ揃っているから、ここに住んで不満が出ることはまずないだろう。

その上、今回の部屋はちょっとニッチなラインを狙ったユニークな物件だから、なおさらおススメなのである。

変化球の和室。

「リアル・ジャパネスク」。これが部屋の名前なのだが、その“裏”コンセプトは「外国人が日本の部屋を実際に見ないで頭の中だけで『何となくこんな感じ』というイメージ先行型の部屋づくりをしたら、パッと見は和室なんだけど、何となくオカシイけど、そのオカシイさが嫌な感じじゃなくてむしろクールに見えちゃうからマイッタ」という感じだ(な、長い……)。

簡単に言ってしまえば「瓢箪から駒」的な、もしくはビギナーズラック的な、ギリギリのラインでかっこよさを保っているイカしたセンス満載のデザインなのである。

ちょっとオカシイ、だけどクールなインテリア。

さっそく中を紹介しよう。まず玄関を開けた瞬間、目に飛び込んでくるのが正面にある障子だ。普通は「この色を組み合わせないだろう~」という配色の市松模様。しかも純粋な赤と白ではない微妙な色合いをチョイスしている。さらに! 障子と言ったが、実はこれ、障子ではない。寝室に入る扉なのだ。でも、その扉には取っ手がない。障子っぽく見せたいがために、あえて取っ手をなくしてしまったという潔さ(取っ手はなくても、もちろんちゃんと開けられるのでご心配なく!)。

リビングに移動すると、小上がりのようなステップフロアのようなスペースがアクセントになっている。空間が立体的に見える演出だ。通常、小上がりは座敷になっていて畳が敷いてあることが多いが、ここもあえてフローリングを貫いている。天井も寄木細工のような壁紙でおもしろい。

寝室も先ほどの扉兼障子が光を柔らかく通してくれるので、落ち着いた空間に仕上がっている。収納の引き戸だけ青色にしたのも斬新なカラーセンスだ。

民藝+バウハウス=??

さて、この部屋、住むとしたらどのように仕上げようか。もちろん、基本ラインは和室なので、和の方向性で行きたいし、和風のインテリアは合うに決まっている。
でも、それ一辺倒ではこの部屋の魅力を活かしきれない。そこでモダンなアイテムとして、バウハウス期の家具などを取り入れてみてはどうだろうか。コルビジェ、ミース、マルセルなどの巨匠がデザインしたプロダクトは、シンプルなデザインとシックな色遣いでこの空間にマッチするはず。
さらに日本のモダニズムを牽引してきた柳宗理、剣持勇、渡辺力らがデザインしたプロダクトも間違いなく合う。
この辺をどのようにミックスさせるかは、あなたのセンスしだい。和風なんだけど、どこかモダン。そのギリギリのラインを表現する楽しさを味わってほしい。